『森保JAPAN戦術レポート』の著者でもあるらいかーると氏は今季、19本ものJリーグ分析記事をフットボールチャンネルに寄稿した。広くJ1リーグを見続けてきた中で、印象に残った選手から11人+αを選出。シーズンを通したベストイレブンではなく、筆者独自の視点から、気になった選手を選んでいく。(選出・文:らいかーると)[2/8ページ]
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CB:古賀太陽
生年月日:1998年10月28日(27歳)
所属クラブ:柏レイソル
リーグ戦成績:38試合0得点0アシスト
昨年の地獄のような残留争いから、一転して優勝争いになった柏レイソル。監督は大事ですというメッセージと共に、監督の志向にあった選手を連れてくることも大事と知らしめてくれる事例になっています。
最終ラインならどこまでもこなせます!感の強い古賀だが、今年は3バックの中央で躍動。明らかに3バックの身長やフィジカルが足りなそうな柏のメンツを支え続けました。
最大火力を出すときの柏は3バックの両脇が颯爽と攻撃参加をするので、ときどきは古賀の1バックのようになっていました。なお、本当は古賀も攻めたかったかどうかは誰かに聞いてみてほしいです。
本分の守備は言うまでもなく、柏レイソルのビルドアップの起点としてGK小島亨介とともに、プレッシング回避の中心選手としてチームに欠かせない存在でした。惜しむらくは、東アジアE-1サッカー選手権からの日本代表へのチャレンジが実ってほしかったですね。
CB:宮本優太
生年月日:1999年12月15日(25歳)
所属クラブ:京都サンガF.C.
リーグ戦成績:33試合0得点0アシスト
宮本優太は今季の京都サンガF.C.の躍進を支え続けました。
宮本の特徴はスプリント数です。スプリント総数でもなぜか上位にいます。スプリント総数の上位は攻撃的なポジションやサイドの選手であることが多いです。しかし、センターバックの宮本はなぜかランクインしています。
京都のプレッシングはかなり前のめりの傾向があります。その攻撃的なプレッシングを回避するために、相手の攻撃陣がスプリントで京都に速攻やカウンターを仕掛ける場面がどうしても多くなります。相手のスプリントに対応を継続していけば、自然とセンターバックのスプリント数も増えてしまうカラクリになっています。
京都のプレッシングの特徴をふまえると、背の高いセンターバックよりも、幅広いエリアを何度もスピードでスプリント&カバーし、それを繰り返すことが求められます。理屈ではわかっていてもなかなかできる起用ではありません。
そして、最後のとどめとして攻撃参加していく姿も印象に残っています。相方の鈴木義宜、センターバックの間に降りて守備を一緒に構築する福岡慎平のサポートのおかげでもありますが、宮本にとって飛躍のシーズンになったのではないでしょうか。


