『森保JAPAN戦術レポート』の著者でもあるらいかーると氏は今季、19本ものJリーグ分析記事をフットボールチャンネルに寄稿した。広くJ1リーグを見続けてきた中で、印象に残った選手から11人+αを選出。シーズンを通したベストイレブンではなく、筆者独自の視点から、気になった選手を選んでいく。(選出・文:らいかーると)[3/8ページ]
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SB/WB:安藤智哉
生年月日:1999年1月10日(26歳)
所属クラブ:アビスパ福岡
リーグ戦成績:36試合4得点0アシスト
今シーズンでメジャーデビューに成功! といったところでしょうか。アビスパ福岡の金明輝の可変式システムのなかで、シンプルなセンターバックから脱却しようとしています。個人的に驚いた場面がゴールキーパーからの空中戦の的として振る舞っていた場面でしょうか。
望月ヘンリー海輝がFC町田ゼルビア、そして日本代表で右サイドの飛び道具として振る舞っているように、安藤智哉は左サイドで同じ仕事ができます。190cmの身長を活かした空中戦の強さをサイドで発揮することは相手にとって悪夢になるでしょう。
攻撃参加でも幅を見せるランニングを見せ、ウイングのサポートもお手の物です。日本代表にも選ばれ、高さと守備力を兼ね備えた選手だと思っていましたが、攻撃的な役割もこなせることがわかり、日本代表にとっても面白い存在だなと感じさせられました。
SB/WB:久保藤次郎
生年月日:1999年4月5日
所属クラブ:柏レイソル
リーグ戦成績:31試合7得点4アシスト
小屋松のほうが活躍したやんけ!というツッコミは甘んじで受け入れます。久保藤次郎を選出した理由はチーム選びについて考えさせられたからです。
藤枝MYFCでブレイクを果たし、名古屋グランパスでJ1に挑戦するもののどうにもはまりがよくありませんでした。サガン鳥栖へレンタル移籍を経ても状況は大きく変わりません。
柏への移籍で一気に世界が変わります。リカルド・ロドリゲス監督のボールを保持するスタイルによって、味方に時間とスペースを与えてもらえる状況が成立すると、久保は一気にそのポテンシャルを発揮することになりました。
柏の右サイドに偏った戦術によって、内側でのプレーもできるようになった久保はゴールに関与するプレーも増えていきます。
自分にあったチーム選びは大事ですね、という事例です。来季の課題は怪我なく一年を過ごすことでしょうか。そうすれば、また日本代表のチャンスも巡ってくるかもしれません。
移籍してみたけど、思っていた状況と異なる。監督交代で自分にあった戦術ではなくなってしまった。そんなJリーグあるあるに対して、そのチームで踏ん張るか、自分にあったチームに移籍するかの2択で色々と考えさせられる事例となりました。


