『森保JAPAN戦術レポート』の著者でもあるらいかーると氏は今季、19本ものJリーグ分析記事をフットボールチャンネルに寄稿した。広くJ1リーグを見続けてきた中で、印象に残った選手から11人+αを選出。シーズンを通したベストイレブンではなく、筆者独自の視点から、気になった選手を選んでいく。(選出・文:らいかーると)[4/8ページ]
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MF:山本悠樹
生年月日:1997年11月6日(28歳)
所属クラブ:川崎フロンターレ
リーグ戦成績:35試合4得点3アシスト
AFCチャンピオンズリーグエリート決勝を経験してからの山本悠樹の仙人感は異常です。ひとつのひとつのプレーが自信に満ち溢れています。まるで自分がミスをするわけない!と思っているかのようなプレーは、チームの中心選手として確固たる地位を築いたシーズンになったのではないでしょうか。
周りの選手に時間とスペースを配り、前線の選手の考慮しながらプレーする姿は、認知とは前に見える景色だけではなく、選手の思いや気持ちまで考慮しなければならないことを教えてくれました。
ゴールだけでなく、浮き球を多用する時空間をコントロールするようなパスは、まさに芸術のようでした。人海戦術で守りを固めるゴール前に対して、地上ではなく空から攻める攻撃はスタンダードになりつつあります。
MF:香川真司
生年月日:1989年3月17日(36歳)
所属クラブ:セレッソ大阪
リーグ戦成績:33試合2得点2アシスト
山本が仙人になったシーズンならば、香川真司はずっと仙人のようなプレーをしています。トップ下や1.5列目を主戦場としてきた香川ですが、気がつけばセントラルハーフを愚直にこなしています。
もともとビルドアップのサポート、プラス1になることが得意な選手でしたが、セントラルハーフでゲームメイクを任されると、チームの舵取りとして抜群の存在感を見せます。
特に移動で相手の配置をずらしたり、自分がフリーになって相手を困らせたりと、ボールプレーヤーが移動の達人になると、鬼に金棒になるのだなと実感させられました。
さらに、ベテランになるにつれ、ポジションを下げていく現象がこの時代でも見られるとは驚きでした。古くはドワイト・ヨークでしょうか。今後も気がついたらセントラルハーフをやっているかつては1.5列目で大活躍した選手をお待ちしています。


