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J1 3日前

戦術分析ライターが選ぶJリーグ「気になった選手イレブン」。ベストイレブンではないけど、独自の視点で選ぶJリーガーたち

らいかーると氏が選ぶ11人
【写真:Getty Images】



『森保JAPAN戦術レポート』の著者でもあるらいかーると氏は今季、19本ものJリーグ分析記事をフットボールチャンネルに寄稿した。広くJ1リーグを見続けてきた中で、印象に残った選手から11人+αを選出。シーズンを通したベストイレブンではなく、筆者独自の視点から、気になった選手を選んでいく。(選出・文:らいかーると)[7/8ページ]
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影のMVP:小池龍太

小池龍太 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズDF小池龍太【写真:Getty Images】

生年月日:1995年8月29日(30歳)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
リーグ戦成績:30試合1得点4アシスト

 シーズンの当初は右サイドバックでいつも通りに試合に出場していました。しかし、前線のバランスを改善するために途中から右サイドハーフで試合に出場するようになります。ボールを持っていないときは立ち位置とランニングでウイングのサポート、ボールを持っているときはセントラルハーフのように味方に時間とスペースを配れる小池にとって、サイドハーフもお手の物でした。


 右サイドバックと右サイドハーフを行ったり来たりのシーズンを過ごしながら最後に山場を迎えます。鹿島アントラーズの左サイドバックの安西幸輝は昨年から飛躍的な成長を遂げた選手です。しかし、シーズンの途中で大怪我をしてしまいます。小川諒也の補強でどげんかしようと企みますが、左サイドバックにも小池龍太が登場します。

 本職はどこやねん!と思いながらも、どのポジションでも軽やかにこなす小池龍太の賢さが鹿島アントラーズの影のMVPとさせていただきます。

新人王:中村草太(サンフレッチェ広島)

サンフレッチェ広島FW中村草太
サンフレッチェ広島FW中村草太【写真:Getty Images】

生年月日:2002年10月15日(23歳)
所属クラブ:サンフレッチェ広島
リーグ戦成績:32試合6得点6アシスト

 大学サッカーのレベルが上っていると言われているけれど、過去の大学サッカーで無双していた選手たちがすべからくプロで活躍しているわけではありません。サッカーの難しいところです。久保の例を出すまでもなく、チームと自分の相性、選手構成の巡り合わせと運の要素が大きいことも否定はできないでしょう。

 大学サッカーにおいて、異次元のゴール関与で名を馳せた中村草太。サンフレッチェ広島でも徐々に出場機会を掴んでいきます。サンフレッチェ広島での本職は1.5列目になるんでしょうけれど、両サイドのウイングバックでも出場機会を得ました。


 持ち前の速さを活かした裏への飛び出し、サイドでは質的優位を示し、質の高いクロスでチームのチャンスを演出しながらもフィニッシャーとしても振る舞える稀有な存在でした。

 近年の広島はウイングバックの質的優位問題に苦しんでいましたが、その問題を軽く解決してしまいそうなポテンシャルを持っていました。と同時に、前線で起用することが本人のためになることも明白という贅沢な悩みをチームにもたらすルーキーでした。

あとがき

 理不尽な早川友基、背が低くてもCBができると証明した宮本優太、我慢のシーズンから飛躍を遂げた古賀太陽、日本代表に選ばれた安藤智哉、チーム選びの大切さを示した久保藤次郎、覚醒を遂げた山本悠樹、スタジアムで観たい香川真司、海外帰りでも関係ないことを証明した伊藤達哉、質的優位とは何かを提示した相馬勇紀、とうとう優勝にたどり着いた鈴木優磨、新エースに名乗りを上げた佐々木大樹を選出させていただきました。

 皆様も色々なイレブンをぜひ選んでシーズンを終えてください。ではまた。

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