2025シーズンのJリーグ全日程が終了した。観客動員はどのクラブにとっても重要だが、同じ観客数でも「空席の有無」でスタジアムの印象は大きく異なる。今回はJリーグ全60クラブのホームスタジアムにおける収容率に注目し、集客の多寡をランキング形式で紹介する。なお、対象はクラブの本拠地限定とし、国立競技場などでの開催は該当しない。[4/5ページ]
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2位:FC今治
本拠地:アシックス里山スタジアム
平均入場者数:4,800人
収容可能人数:5,316人
収容率:90.29%
2025シーズンのJリーグで2番目に高い収容率を記録したのは、J2のFC今治だった。
収容人数5,316人の「アシックス里山スタジアム(アシさと)」は、リーグ戦1試合平均4,800人を動員し、収容率は90.29%に達した。
アシさとは2023年に開場。以降、観客を着実に集めてきた。2024シーズンにはJ3で2位となり、J2へ昇格。初のJ2シーズンとなった2025年には、さらなるファンの後押しを受けた。
第23節、愛媛FCとの「伊予決戦」では、5,369人を動員。第31節のサガン鳥栖戦でも、収容可能人数を上回る5,335人が詰めかけた。
シーズン最低動員は第5節カターレ富山戦の3,542人で、収容率は66.6%。しかし60%台となったのはこの1試合のみで、第8節以降はすべての試合で収容率80%を超えた。
今治の1試合平均観客数はJ2でも18位と多くはないが、アシさとは将来的な拡張を前提に設計されており、クラブは2026/27シーズンから約8,900席に増設して運用する方針を明らかにしている。
スタジアム完成当初、今治はJ3所属だったため、過剰なキャパシティはリスクともなり得た。
だが、段階的な成長に見合った「適正規模」のスタンドを整備したからこそ、スタジアムに熱気と一体感が生まれたといえる。
将来的に観客数が増えても、この高い収容率を維持できれば、さらに大きなスタジアムへの進化も現実味を帯びてくるだろう。

