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ものすごいドラマ! J1昇格プレーオフで下剋上果たしたクラブ5選。リーグ戦の順位を見事に覆したのは?


J1昇格プレーオフで順位を覆したチーム5選【写真:Getty Images】



 明治安田J1昇格プレーオフ2025の全日程が終了し、ジェフユナイテッド千葉が17年ぶりのJ1昇格をつかみ取った。今回はリーグ戦の順位通り、上位3チームがJ2に別れを告げることになったが、過去のプレーオフでは様々なドラマが起きていた。今回は、リーグ戦の順位を覆す「下剋上」を果たしたクラブを紹介しよう。[2/5ページ]
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大分トリニータ(2012年)


2012年にJ1へ昇格した大分トリニータ【写真:Getty Images】

2012リーグ戦成績:21勝8分13敗(6位)
J1昇格プレーオフ準決勝:VS京都サンガF.C.(4-0)
J1昇格プレーオフ決勝:VSジェフユナイテッド千葉(1-0)



 J2リーグ発足当初から同リーグに所属していた大分トリニータが、初めてJ1の舞台に立ったのは2003年のことだった。

 初昇格から7シーズン連続で戦ったJ1リーグでは、「ミスター・トリニータ」の高松大樹を中心に魅力的なチームを構築。

 とくに西川周作、森重真人、金崎夢生と、後の日本代表選手が名を連ねた2008年は勢いがあり、クラブ史上初のタイトルとなるヤマサキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)優勝、リーグ戦も4位と躍進のシーズンを送った。

 しかし、課題だった得点力不足が改善の兆しを見せず、守備にほころびが見えたことで、翌年の2009年は一気に崩壊。

 浮上のきっかけをつかめないまま、リーグ戦4試合を残しJ2降格を喫している。

 再びJ2に戻ってきた同クラブにとって、J1復帰の道は前途多難だった。

 前年から抱えていた経営危機もあり、大分は降格後、選手の大半を入れ替える異常事態に。リーグ順位は下位に沈み、金銭面の問題もすぐに解決することは出来なかった。

 それでも、チームはこの逆境を跳ね返した。

 監督に田坂和昭を招聘し、森島康仁や三平和司などの若手を積極的に起用。就任1年目こそリーグ12位に終わったチームだったが、若手を様々なポジションで起用し、多くの経験を積ませた。

 成長したチームで臨んだ2012年は、シーズンを通して安定した戦いを披露。森島、三平の両選手がキャリアハイとなるリーグ14得点を挙げ、チームの得点力が向上した。

 連敗をせず勝ち点を取りこぼさない戦い方で上位をキープし、シーズン6位で終了している。

 大分にとって幸運だったのは、この年からJ1昇格プレーオフが始まったことだった。

 今までは上位3チームがJ1に参戦する権利を得ていたが、2012年からは6位までJ1へのチャンスを得ることが可能となった。

 そして、大分はこの権利を最大限に生かす。

 準決勝の京都サンガF.C.との一戦を森島の4ゴールで難なく通過すると、決勝のジェフユナイテッド千葉戦では後半終了間際に訪れたGKとの1対1のチャンスを林丈統が落ち着いて決め勝ち越し。

 この虎の子の1点を守り切り、大分がJ1昇格の切符をつかんだのである。

 決勝点を挙げた林は京都在籍時の2009年に、自身の得点で大分のJ2降格を決定づけている。



 クラブをどん底に突き落とした相手が、今度は救世主としてクラブを救う。

 巡り合わせを感じずにはいられない昇格プレーオフとなった。

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