現在フリーの元Jリーグ外国人監督5人【写真:Getty Images】
明治安田Jリーグの全日程が終了した今、すでに移籍市場の動きが来季の戦いに向けて活発だ。指揮官交代も珍しくない。なかでも、日本の環境を理解し、結果を残してきた外国人監督は貴重な選択肢と言えるだろう。そこで今回は現在、Jリーグ経験を持ちながら無所属となっている外国人指揮官を紹介する。※情報は12月16日時点[2/5ページ]
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アルベル・プッチ・オルトネダ

FC東京時代のアルベル・プッチ・オルトネダ【写真:Getty Images】
生年月日:1968年4月15日(57歳)
国籍:スペイン
最終指導:FC東京
Jリーグ監督歴:アルビレックス新潟、FC東京
Jリーグに“カタルーニャの風”を吹き込んだスペイン人指揮官、アルベル・プッチ・オルトネダも現在フリーの状況だ。
アルベルは、名門バルセロナでスカウトやコーチなどを務めた経歴をもつ。
アカデミーダイレクター時代にはサッカー日本代表MF久保建英の獲得に尽力したと言われており、日本サッカーと縁が深い人物だ。
そんなアルベルは、2020シーズンに当時J2で戦っていたアルビレックス新潟の監督に就任。自身初となるトップチームの監督業に挑戦した。
彼が志向するスタイルは、スペイン人らしさが溢れるポゼッションサッカーだ。
流れるようにボールを動かしながら、ピッチの至る所に数的優位を作り出す。試合を通じて常に主導権を握ることを目指す、情熱的な指揮官である。
就任1年目はスタイルの浸透に苦しんだが、2年目にはJ1昇格争いに参戦。最終的にトップカテゴリーには辿り着かなったが、アルベル時代に築かれたポゼッションの土台は、その後の新潟のアイデンティティとして受け継がれている。
その後、スペイン人指揮官は2022シーズンからFC東京の監督に就任。J1初挑戦ながら、就任1年目からリーグ6位と好成績を残した。
さらなる躍進が期待されていたが、2年目は負傷者続出もあって理想的なサッカーを展開できず、第17節終了時点で12位と低迷。
勝ち点は「19」と、FC東京がJ2降格を余儀なくされた2010シーズンに並ぶ不振となった。
文字通り、危険水域となっていたFC東京は6月に公式サイトを通して、アルベルの監督退任を発表。以降、同氏は監督を務めていない。
近年のサッカー界で、ポゼッションサッカーは珍しい存在となった。
ボール保持を志向するチーム構築は難易度が高い一方、完成した際の美しさと面白さは大きな魅力だ。
スペインでの育成・戦術的知見を持つアルベルに、再びJクラブから声がかかる可能性は十分にあるだろう。