2025シーズンのJリーグは全日程が終了した。観客動員はどのクラブにとっても重要だが、同じ観客数でも「空席の有無」でスタジアムの印象は大きく異なる。今回はJリーグ全60クラブのホームスタジアムにおける収容率に注目し、集客の多寡をランキング形式で紹介する。なお、対象はクラブの本拠地限定とし、国立競技場などでの開催は該当しない。[3/5ページ]
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13位:名古屋グランパス
本拠地:豊田スタジアム
平均入場者数:3万2,263人
収容可能人数:4万2,753人
収容率:75.5%
名古屋グランパスは、2025シーズンのJ1リーグで1試合平均3万2,263人の動員を記録した。収容人数4万2,753人の本拠地「豊田スタジアム」は、75.5%の収容率だった。
シーズン最多動員は、第27節・川崎フロンターレ戦で4万55人が来場し、収容率は93.7%だった。さらに、第25節・京都サンガF.C.戦、第28節・FC東京戦も90%を超えた。
第32節・鹿島アントラーズ戦、最終節・アビスパ福岡戦も含め、シーズンを通して計6試合で収容率80%超を達成し、Jリーグが定義する「満員」を多く記録した。
名古屋は2024シーズンの1試合平均動員が2万7,650人で、今シーズンは約4,600人の増加となった。
動員数が伸びた要因は、満員試合の増加よりも「来場者数の底上げ」にあったといえる。
2024シーズンは、収容率が60%未満の試合が7試合あったが、今シーズンはわずか2試合に減少した。
今シーズンは、比較的客席が埋まりにくい試合で無料招待などを多く実施し、チケット収入よりも、スタンドを埋めることに注力した施策が功を奏した。
名古屋はスタジアムグルメや快適な観戦環境の評価も高く、一度来場した観客の満足度が高いことも強みとなっている。
まずは来てもらうことで、観客をリピーターへと転換する戦略をとったことがうかがえ、その結果が、動員数と収容率の増加に表れた。
この施策で獲得した新たなファン層が定着すれば、クラブの中長期的な収益向上にもつながる。2026シーズン以降の動員数とその質に、引き続き注目が集まる。

