フットボールチャンネル

J1 2か月前

選外選手で作るなら? Jリーグ、もう一つのベストイレブン。なぜ選ばれなかった…十分な活躍を見せた男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

Jリーグ、もう一つのベストイレブン【写真:Getty Images】



 2025Jリーグアウォーズが11日に行われ、今季のベストイレブンが発表された。栄えある賞に輝いた選手たちがいる一方で、今季のJ1リーグでは、それに匹敵するほど印象的な活躍を披露した選手も数多く存在する。今回は、ベストイレブンに選出されなかった選手の中から、もう一つの「ベストイレブン」をピックアップ。受賞には届かなかったものの、確かな実力と存在感を示した11人を紹介する。[2/7ページ]
——————————

CB:キム・テヒョン

キム・テヒョン 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズのCBキム・テヒョン【写真:Getty Images】

生年月日:2000年9月17日
所属クラブ:鹿島アントラーズ
2025年リーグ戦成績:30試合0得点1アシスト


 今季J1リーグ開幕前に鹿島アントラーズへ加入したキム・テヒョンは、9年ぶりのリーグ制覇に欠かせない存在だった。

 しかし、ベストイレブンどころか、優秀選手賞にもノミネートされていない。

 同賞に選出されたCBを務める選手と比べると、わずかに“インパクト”さが欠けているかもしれないが、間違いなく鹿島にとって重要なピースの1つだった。

 そのきっかけとなったのは、第14節のFC町田ゼルビア戦だ。

 20分に鹿島DF関川郁万が左膝複合靱帯損傷。サポーターの不安が募る中、急遽ピッチに立った韓国人DFは、一瞬でその暗雲を払いのけ、“常勝軍団”の壁として無失点勝利に貢献した。

 その後、累積警告で欠場した第32節の名古屋グランパス戦以外はフル出場と、完全にチームの主軸へと進化していった。

 そんな背番号「3」は、希少な左利きのCBでロングパスを武器としており、対角へのフィードや背後への配球に長けている。

 実際、第19節のガンバ大阪戦で、DFの裏へ抜け出したFWレオ・セアラにピンポイントのロングフィードを送ると結果的にゴールに繋がり、鹿島加入後初アシスト。まさにキム・テヒョンのストロングポイントが詰められたプレーだった。

 また、試合数を重ねるごとに鹿島としての“風格”が漂うようになり、自信や戦う姿勢、ずる賢さが備わったようにも見える。

 日本国内最強クラブで活躍を見せる左利きDFは、7月のEAFF E-1サッカー選手権で韓国代表としてデビューする。

 さらに9月や11月にも同代表に招集され、ボリビア戦では、ドイツの名門でもあるバイエルン・ミュンヘンで活躍するキム・ミンジェとコンビを組んだ。


 いまや、韓国代表で活躍するCBが、優秀選手に選ばれないことに少し疑問を持つが、確実にJリーグ屈指のDFであることは、今季のプレーで証明している。

 あとは、ベストイレブンの植田直通、関川といった強力CB陣とのスタメン争いにも注目したいところだ。

CB:塩谷司(しおたに・つかさ)

サンフレッチェ広島、塩谷司
サンフレッチェ広島のDF塩谷司【写真:Getty Images】

生年月日:1988年12月5日
所属クラブ:サンフレッチェ広島
2025年リーグ戦成績:36試合2得点1アシスト


 37歳となった今もなお、サンフレッチェ広島の鉄壁を誇る3バックの一角として君臨する塩谷司だが、その安定したパフォーマンスとは裏腹に、今季は優秀選手賞入りを逃す結果となった。

 今季はリーグ戦で2試合の欠場を除く、36試合に出場。リーグ最少となる28失点という驚異的な数字は、広大なエリアをカバーする3バックの個人能力の高さを物語るものだが、その中心に塩谷がいたことは疑いようがない。

 年齢を感じさせない対人の強さとポジショニング、そして試合の流れを読む力で、最終ラインに揺るぎない安定感をもたらした。

 特筆すべきは、その対応力の高さだ。本職であるセンターバックにとどまらず、チーム状況に応じてボランチでも起用され、相手の攻撃の芽を的確に摘み取る役割を担った。

 さらに、塩谷の価値は守備面だけにとどまらない。攻撃の起点としても、抜群の存在感を放っている。

 最終ラインから自らボールを運び出し、相手の守備ブロックを引きつけた上で放たれる縦パスは、広島の攻撃を加速させた。

 特に第26節のガンバ大阪戦で見せた、中村草太への浮き玉のパスは象徴的なシーンだろう。

 スピードを武器とする中村の動き出しを完璧に捉えたパスは、視野の広さと技術を兼ね備えた塩谷だからこそ成立した高難度のプレーだった。


 ミヒャエル・スキッベ監督のもとで、常に主力としてピッチに立ち続けてきた塩谷の経験に裏打ちされたその存在感は、来シーズンから指揮を執るバルトシュ・ガウル体制においても、間違いなくチームの基盤となるはずだ。

 年齢を重ねてもなお色褪せないその価値を、次のシーズンでどのように示してくれるのだろうか。

1 2 3 4 5 6

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!