2025シーズンの明治安田J1リーグは全日程が終了した。名古屋グランパスは最終順位16位と期待を裏切る結果となってしまったが、観客動員数はリーグトップクラス。ホームゲーム年間入場者数ではクラブ史上初となる60万人超えを達成している。今回は、名古屋のホームゲームにおいて多くの動員を記録した試合をランキング形式で紹介する。※情報は12月20日時点[2/5ページ]
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4位:アビスパ福岡戦(第38節)
観客数:34,975人
開催地:豊田スタジアム
開催日:2025年12月6日
第4位にランクインしたのは第38節アビスパ福岡戦だ。34,975人の観客が豊田スタジアムに足を運んでいる。
名古屋にとってこの試合はシーズン最終戦という節目に加え、クラブ史上初となる年間ホーム観客数60万人突破が懸かる一戦。
「終わり良ければ総て良し」という言葉があるように、今季は序盤から残留争いに巻き込まれるなど苦しいシーズンを戦い抜いたチームの“集大成”として注目を集めた。
両チームとも既にJ1残留が決定しているにもかかわらず、この試合の注目度は消化試合のそれではなかった。理由は2つだ。
1つ目は、この試合が長谷川健太監督のラストマッチであったこと。
2022年から4シーズンに渡って名古屋の指揮を執ってきた長谷川監督は今季限りでの退任が発表されており、クラブとしては指揮官の花道を飾りたいところ。
また、退団が決定しているキャスパー・ユンカーも最後の試合となった。
2つ目は、福岡に在籍する安藤智哉の地元凱旋である。
今季、日本代表にも選出された安藤は愛知県豊田市出身。敵ではあるものの、地元の英雄の帰還に胸を躍らせていた名古屋のサポーターも少なくなかったはずだ。
試合は序盤から中盤にかけて拮抗した展開が続いた。
互いに堅い守備をベースに主導権争いを繰り広げ、決定機は限られる。名古屋はセットプレーやサイド攻撃から、福岡は素早い攻守の切り替えからゴールに迫るが、スコアは動かず、緊張感の高い0-0のまま終盤へと突入した。
このまま試合が終わるかに思われたが、後半アディショナルタイムに名古屋がPKを獲得。これを稲垣祥が冷静に決め、最終節は1-0で決着した。
これにより、名古屋はホームゲームの年間入場者数が613,003人となり、クラブ史上初となる60万人突破を達成。
また、リーグ戦の1試合あたりの平均入場者数は32,263人となり、こちらもクラブ史上初となる平均入場者数3万人超えを記録した。
成績面では決して満足のいくシーズンではなかったが、それでも名古屋のファン・サポーターはスタジアムに足を運び続けた。彼らの存在感をこの一戦は強く印象づけている。

