2025シーズンの明治安田J1リーグは全日程が終了した。名古屋グランパスは最終順位16位と期待を裏切る結果となってしまったが、観客動員数はリーグトップクラス。ホームゲーム年間入場者数ではクラブ史上初となる60万人超えを達成している。今回は、名古屋のホームゲームにおいて多くの動員を記録した試合をランキング形式で紹介する。※情報は12月20日時点[3/5ページ]
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3位:FC東京戦(第28節)
観客数:39,815人
開催地:豊田スタジアム
開催日:2025年8月31日
名古屋グランパスは毎年夏に「鯱の大祭典」を開催している。
このイベントはクラブが総力を挙げて取り組む一大イベントであり、スタジアムだけでなくホームタウン一帯が赤黄の熱気に包まれる。
目玉となるのは、記念ユニフォームのレプリカシャツの無料配布や、豪華なスペシャルゲストの来場だ。
また、鯱の大祭典の対象となるホームゲーム3試合では、小中高生は全員招待という大規模な招待企画が行われる。
イベントの大成功と新たなファン・サポーター獲得のためには、是が非でも勝ちたい3試合である。
しかし、今夏の名古屋は豊田スタジアムに集まった人々の期待に反するパフォーマンスとなってしまった。
鯱の大祭典の1試合目となる第25節の京都サンガF.C.戦(1-2)、2試合目となった第27節の川崎フロンターレ戦(3-4)でチームは敗北。3試合目となる第28節のFC東京戦は、三度目の正直を果たさなければならない一戦だった。
FC東京戦でクラブは、先の2試合のものとは異なり、金色に染まった記念ユニフォームのレプリカシャツを配布。試合開始前には甲冑に身を包んだ俳優の松平健さんが率いる特別応援部隊が名古屋の勝利を願った出陣式を実施した。
選手、サポーターは尾張名古屋に根付く「かぶく」を表現したド派手な戦闘服に身を包み、スタジアムは最高の雰囲気に包まれた。
試合が始まると、大勢のサポーターに後押しされた名古屋は果敢にゴールを目指す。
12分には森島司の直接フリーキックがクロスバーを直撃、30分にも永井謙佑の放ったシュートが再びクロスバーに直撃するなど、限りなくゴールに近づいた。
優勢に試合を進めたホームチームは、65分に佐藤瑶大が先制点を奪った。
しかし、82分に名古屋の守護神ピサノ・アレックス幸冬堀尾のキャッチミスを逃さなかったFC東京の遠藤渓太が同点ゴールを奪い、試合は1-1の痛み分けで終了した。
これにより、今季の「鯱の大祭典」は3試合0勝1分け2敗という厳しい結果に。
当時、名古屋もFC東京も残留争いに巻き込まれていたこともあり、引き分けへの安堵と残留への危機感からか、やや堅い顔でスタジアムを去るサポーターも少なくなかった。

