
J1、前半戦と後半戦の勝ち点差ワーストチーム【写真:Getty Images】
2025年のJリーグ全日程が終了した。J1の舞台では、シーズンを通して安定した戦いを見せたチームがある一方で、前半戦に勝ち点を積み上げながらも、後半戦で大きく失速したクラブも存在する。今回は、前半戦と後半戦における勝ち点差が大きかったチームをランキング形式で紹介する。[3/5ページ]
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3位:川崎フロンターレ

前半戦と後半戦の勝ち点差ワースト3位の川崎フロンターレ【写真:Getty Images】
2025リーグ戦順位:8位
リーグ前半戦の勝ち点:32
リーグ後半戦の勝ち点:25
勝ち点差:-7
8シーズン続いた鬼木達監督体制から長谷部茂利監督へと指揮官が交代した川崎フロンターレは、期待と不安が交錯する中で新シーズンを迎えた。
終わってみれば、シーズンを通して本来の力を十分に発揮し切れなかった印象が残る。
シーズン前半戦は、リーグ戦と並行してAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)を戦いながらも、クラブ史上初となる決勝進出を果たすなど、一定の成果を残した。
過密日程の中でも勝負強さを見せた点は評価に値するだろう。
しかし、後半戦に入ると状況は一変。リーグ戦では黒星が先行し、試合を重ねるごとに停滞感が色濃くなっていった。
その最大の要因として挙げられるのが、リーグワースト3位タイとなる57失点を喫した守備陣の不安定さだ。
象徴的だったのは、7月にトッテナム・ホットスパーへ移籍した高井幸大の存在感の大きさである。
彼の移籍後、最終ラインは最後まで安定した形を見出すことができなかった。
実際、19試合を終えた折り返し時点での失点数は「19」に抑えられていたが、最終的な総失点数は「57」。数字を見ても、後半戦で守備が大きく崩れたことは明白だ。
大きな期待を背負って加入したフィリップ・ウレモヴィッチも、本領を発揮したとは言い難く、新たな環境への適応に時間を要した印象は拭えない。
また、ジェジエウも度重なる怪我により長期離脱を余儀なくされ、最終ラインの不安定さを支える存在にはなり切れなかった。
派手な撃ち合いでスタジアムを沸かせる試合があった一方で、勝ち点を安定して積み上げるだけの安定感を欠いていた後半戦。明確なウィークポイントが露呈したからこそ、クラブはすでに来季に向けた積極的な補強に動いている。
守備の再構築を成し遂げることができれば、再びタイトル争いの舞台へと戻ってくる可能性は十分にある。
雪辱のシーズンとなるか、その歩みに注目が集まる。