Jリーグでは毎年、多くの助っ人外国人選手がプレーしている。だが、期待の大きさとは裏腹に、怪我や戦術的不適合、チーム事情などが重なり、本来の力を発揮できないままシーズンを終えるケースも少なくない。今回は今季のJリーグにおいて、期待外れのパフォーマンスに終わった外国人選手を紹介する。※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は12月23日時点。[1/5ページ]
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MF:ミゲル・シルヴェイラ
生年月日:2003年3月26日
所属クラブ:アルビレックス新潟
2025リーグ戦成績:6試合1ゴール0アシスト
今季、新たにアルビレックス新潟に加わったミゲル・シルヴェイラは、苦しいシーズンを過ごした。
結果論ではあるが、出場状況を踏まえると獲得の意図が見えにくく、謎の多い補強となってしまった印象は否めない。
現在22歳のミゲルは、母国ブラジルの名門フルミネンセの下部組織出身。17歳でトップチームデビューを果たし、世代別ブラジル代表にも選出されるなど、早くから“サッカー王国”で注目を集めてきた逸材だ。
「コウチーニョ2世」とも称されたミゲルだが、2021年以降、そのキャリアは徐々に陰りを見せ始める。
レッドブル・ブラガンチーノでは約1年半の在籍で公式戦25試合2ゴールにとどまり、2023年に完全移籍したロシアのソチでもインパクトを残せなかった。そして2025年、再起を期して新潟への加入が決まった。
ここ数年で暗転したキャリアを立て直すためにも、日本での活躍は不可欠。しかし、いまのところJリーグの舞台でも輝きを放つことができていない。
今季のリーグ戦出場はわずか6試合。総出場時間は約76分と1試合分にも満たず、シーズンの大半をベンチ外で過ごしている。
限られたプレータイムでブラジル人らしさあふれるテクニックの高さを披露するシーンはあったものの、チームの攻撃を牽引するような劇的な変化を生むことはできず。
むしろ、走力や身体の強さといったフィジカル面に課題を抱えていることが露呈した。
新潟はシーズンを通して残留争いが続き、途中には監督交代が発生するなど、チームが置かれた状況は常に厳しかった。
残留に向けた激しい戦いが続く中で、不安の残る外国人選手を起用することは難しかったかもしれない。
結果論ではあるが、今季の新潟には長谷川元希など攻撃的MFのポジションには多彩なタレントが揃っていた。
ミゲルのように中盤で自由を与えられることで輝くタイプよりも、ポゼッションサッカーの終着駅となるストライカータイプの方がフィットした可能性が高い。
とはいえ、ミゲルはまだ22歳。ここから大化けする可能性を秘めており、今後のパフォーマンスから目が離せない。

