Jリーグでは毎年、多くの助っ人外国人選手がプレーしている。だが、期待の大きさとは裏腹に、怪我や戦術的不適合、チーム事情などが重なり、本来の力を発揮できないままシーズンを終えるケースも少なくない。今回は今季のJリーグにおいて、期待外れのパフォーマンスに終わった外国人選手を紹介する。※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は12月23日時点。[3/5ページ]
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FW:チアゴ・サンタナ
生年月日:1993年2月4日(32歳)
所属クラブ:浦和レッズ
2025リーグ戦成績:19試合5ゴール0アシスト
浦和レッズは11月16日、チアゴ・サンタナが契約満了に伴い今季限りでチームを離れることを発表した。
サンタナは母国ブラジルやポルトガルなどでのプレーを経て、2021年に清水エスパルスに加入。初めてのJリーグ挑戦ながら、2021シーズンはJ1リーグ戦で13ゴールを記録した。
続く2022シーズンもJ1リーグ戦で14ゴール、2023シーズンもJ2リーグで12ゴールを記録し、3季連続の二桁得点を達成。2022シーズンにはJ1得点王とベストイレブンに選出されている。
Jリーグを席巻したサンタナは、2024年から浦和でプレー。リーグ戦36試合で12ゴールを記録し、攻撃陣を牽引する期待通りのパフォーマンスを披露した。
今季はマテウス・サヴィオら同郷の新戦力も加わり、さらなるシナジー効果が期待されたが、結果は物足りないものとなった。
リーグ戦19試合で5ゴール。最大の要因はグロインペイン症候群だ。鼠径部の慢性的な痛みにより4月から約2か月間戦線離脱。5月末に復帰したものの、キレを欠いたプレーが続いた。
浦和の今季リーグ戦における総得点数は「45」で、最終順位上位10クラブのなかで最少だった。
攻撃陣に揃った豊富なタレントを上手く活用できなかったことと、サンタナの不発が影響していることは間違いないだろう。
低調なパフォーマンスが続きサンタナに対して否定的な声が高まる中、第27節の柏レイソル戦終了直後にはゴール裏の一部サポーターと口論に。チームが2-4で大敗を喫したこともあってか、スタッフが制止するほどの激しいやりとりが展開された。
以降、ベンチ外の試合が続いていたが、浦和でのラストマッチとなる第38節の川崎フロンターレ戦でゴールを記録。今季は不遇のシーズンとなったが、最後はストライカーとしての意地を見せてチームを去った。

