
ラスト10戦で最強だったJ2クラブ【写真:Getty Images】
2025シーズンの明治安田J2リーグは、歴史上稀に見る大混戦となった。とくに終盤の競争は、非常に見応えがあった。では、ラスト10試合に限定すると、どのクラブが最強だったのか。同試合における勝ち点を計算し、ランキング形式で紹介する。※データは『Transfermarkt』『Jリーグ公式サイト(J1.LEAGUE STATS)』を参照。勝ち点が並んだ場合は得失点差を優先[3/5ページ]
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3位:V・ファーレン長崎

V・ファーレン長崎の集合写真【写真:Getty Images】
2025リーグ戦順位:2位
ラスト10試合の成績:5勝4分1敗
ラスト10試合の総得失点数:17得点6失点
ラスト10試合の勝ち点:19
J1自動昇格圏の2位でレギュラーシーズンを終えたV・ファーレン長崎は、来季に2018シーズン以来となるJ1リーグを戦う。
歓喜の瞬間を呼び込んだのは、明治安田J2リーグのラスト10戦で見せた粘り強さだ。
1戦1戦積み上げた勝ち点が1つでも少なければ、史上稀に見る大混戦となった“魔境”を勝ち抜くことはできなかった。
長崎は、ラスト10戦を5勝4分1敗で乗りきっている。
勝ち点19の獲得につながったのは堅実な守備で、チームは10戦で計6失点(平均失点0.60)。4試合で無失点を記録し、10戦の中で複数失点を許した試合は1つもなかった。
抜群の安定感でラスト10戦を完走した長崎だが、それでもJ2優勝とJ1昇格決定は最終節までもつれ込んだ。
首位で迎えた徳島ヴォルティス戦(最終節)を1-1で終えて勝ち点1を積み上げたことでJ1自動昇格を勝ち取ったわけだが、試合終盤は他会場の結果次第で3位転落もあり得る状況だった。
J1自動昇格圏外へのフェードアウトを防いだのは守護神・後藤雅明の鬼気迫るビッグセーブであり、ここでも堅い守備がギリギリのところでチームを支えた格好だ。
徳島戦後、高木琢也監督は「残念ながら『TEPPEN』は取れなかったんですけども、それに値するぐらいのものを選手たちが得てくれたと思っています」と語った(『Jリーグ公式サイト』より)。
選手たちが“得たもの”は、J1自動昇格という最終結果だけではないはずだ。
彼らがラスト10戦で見せた極限の集中力や勝ち点獲得へのこだわりは、来季トップカテゴリーを戦ううえで貴重な財産となり得る。