欧州主要リーグの冬の移籍市場は、短期決戦だ。補強ポイントが明確なクラブに途中加入する一方で、環境・戦術・序列に慣れる猶予はほとんどない。本稿では、冬の海外移籍で歯車が噛み合わず、キャリアの流れを変えてしまった日本人選手を取り上げ、その背景と「失速の要因」を辿っていく。※データは『Transfermarkt』を参照[3/5ページ]
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MF:三竿健斗(みさお・けんと)
生年月日:1996年4月16日
移籍先:鹿島アントラーズ→サンタ・クララ(ポルトガル)
移籍日:2023年1月1日
三竿健斗は2023年1月にポルトガル1部のサンタ・クララへ移籍し、満を持して欧州挑戦に臨んだが、思うような結果は残せなかった。
2016年から在籍した鹿島アントラーズではキャプテンを務め、Jリーグ屈指のボランチとして存在感を示していた三竿。26歳での移籍は、キャリアの新たな一歩と期待された。
新天地ではすぐにレギュラーに定着したものの、チームが不振を極め、リーグ戦9連敗という苦境も経験。
三竿はシーズン終盤に先発から外れるようになり、サンタ・クララは最下位でシーズンを終えて2部に降格した。
そして同年夏、三竿はベルギー1部のOHルーヴェンへの移籍を決断する。
ルーヴェンではリーグ第10節サークル・ブルッヘ戦で初の先発出場を飾ると、その後はスタメンに定着。
第11節シント=トロイデン戦で初アシスト、第12節アンデルレヒト戦で初ゴールを記録し、上昇気流に乗りかけた。
しかし、12月にアキレス腱を痛めて離脱。約2カ月の不在期間中に、11月から指揮を執っていたオスカル・ガルシア監督体制のレギュラーが固まり、復帰したあとは序列が低下した。
2024年夏に鹿島に復帰し、欧州でのキャリアに幕を下ろした。
欧州では本来の輝きを放てなかった三竿だが、Jリーグ復帰後は次第に調子を上げていった。
特に2025シーズンは自信を取り戻し、かつての存在感を発揮。中盤の主軸として安定したパフォーマンスを披露し、チームを9年ぶりのJリーグ優勝へと導いた。

