
Jリーグ 禁断移籍5選【写真:Getty Images】
これまで、Jリーグの移籍市場において話題となった取引がいくつもあった。その歴史を紐解くと、全ての移籍が必ずしも歓迎ムードの中で行われたわけではないことが分かる。今回は、波紋を呼んだ“禁断の移籍”を5つピックアップして紹介する。※データは『Transfermarkt』『Jリーグ公式サイト(J1.LEAGUE STATS)』を参照[2/5ページ]
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MF:山口蛍(やまぐち・ほたる)

2019年時代の山口蛍【写真:Getty Images】
生年月日:1990年10月6日
移籍先:セレッソ大阪→ヴィッセル神戸(2019シーズン)
移籍日:2019年1月7日
愛した選手が突如として退団してしまうと、心の中で愛憎入り乱れてしまうのがサポーター心理というものだ。
下部組織時代には10番を背負い、セレッソ大阪のトップチームでは背番号「6」を自らの象徴的な番号にした山口蛍。2017シーズンのみプロとしても10番を付けたが、計6年間背負った番号はやはり特別だ。
そんな山口は、2019シーズン開幕前に関西のライバルクラブであるヴィッセル神戸に完全移籍。セレッソサポーターに複雑な感情を植え付けることになった。
U-15からセレッソに在籍していた山口は、2009シーズンにトップチームへ昇格。高いボール奪取能力と攻撃センスに秀でたボランチとして活躍すると、2014シーズンにはキャプテンに就任した。
2016年1月にはハノーファー96(ドイツ)に完全移籍して欧州挑戦に乗り出したものの、わずか半年でセレッソに復帰する。
その理由について「自分の家はやっぱりセレッソだと強く感じた」(2016年6月20日掲載/セレッソ大阪のクラブ公式サイトより)と語るなど、長く在籍したクラブへの愛を表した。
ところが、2019年1月にはセレッソサポーターのもとに予想だにしなかったニュースが飛び込んでくる。山口が、リーグ優勝とAFCチャンピオンズリーグ(現:AFCチャンピオンズリーグエリート)優勝を目指す神戸に活躍の場を求めたのだ。
明治安田生命J1リーグ(現:明治安田J1リーグ)開幕戦のカードは、奇しくもセレッソ対神戸。『ヤンマースタジアム長居』を桜色に染めたサポーターからは、神戸のユニフォームを着た山口に対して痛烈なブーイングが飛んだ。
ただ、山口の移籍は憎悪ばかりを生んだわけではなかったようだ。
試合後にセレッソのゴール裏へ山口が挨拶に向かった際には、ブーイングと共に拍手とコールも発生。サポーターの混沌とする心情が垣間見えた瞬間だった。