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堀米悠斗、北海道コンサドーレ札幌復帰の真相。深井一希や荒野拓馬に背中を押され「お金の話もほとんどしないまま…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 黒川広人 photo by hiroto kurokawa,Getty Images
北海道コンサドーレ札幌 堀米悠斗

10年ぶりに北海道コンサドーレ札幌に復帰した堀米悠斗【写真:黒川広人】



 愛称はゴメス。サポーターから“札幌のガソリン”とも称された堀米悠斗が10年ぶりに北海道コンサドーレ札幌へ帰ってきた。アルビレックス新潟ではキャプテンを務め、クラブの顔として活躍してきたが、昨季終了後に契約満了を告げられた。それでも、堀米が古巣復帰を強く望んだことで、途切れていた札幌との関係が再び交わることに。「また新人時代に戻ったような感覚です」と充実感を滲ませる堀米に迫った。(取材・文:黒川広人)[1/2ページ]

2016年オフの真相。堀米悠斗が北海道コンサドーレ札幌を離れた理由

アルビレックス新潟 堀米悠斗

アルビレックス新潟時代の堀米悠斗【写真:Getty Images】

 率直に聞いてみた。北海道コンサドーレ札幌でスタメンを奪い、J1昇格に貢献した2016年オフ。なぜ移籍という決断を下したのか。

「札幌のJ1昇格を、自分の中で一つの区切りだと捉えていました。その先は、自分の目標を追い求めたいと思ったんです。当時の(アルビレックス)新潟は14年連続でJ1に在籍していたクラブで、自分にとってはステップアップだと感じていました。ただ、その後は、自分がJ2に落ち、札幌がJ1で戦う形になった。

 自分が移籍したタイミングで新潟を降格させてしまったことも、間違いなく自分の中に影響を与えました。ここで新潟を投げ出してしまったら、自分のサッカー人生としての筋がまったく通らない。だから、自分の責任の取り方として、新潟をもう一度J1に上げるまで、その先のステップアップは封印しようと決めました」

 実際、新潟で計9年プレーし、2022年にはキャプテンとしてJ1昇格に導いた。6シーズンにわたりキャプテンを務めた堀米悠斗は、名実ともに新潟の象徴だった。


 
 だが、2025年オフ、クラブから告げられたのは契約満了だった。

「正直、予想外でした。自分の中では、納得できるところまで新潟でプレーして、年齢的にも『ここかな』と思えたら、たとえ違う選択肢があっても新潟で引退するつもりでした。でも、このタイミングだと…まだまだサッカーをやりたい気持ちが強かったし、本当に悔しかったですね」

 現役続行へ決断の針が傾く中、次のクラブ選択で重視したのは、堀米が培ってきたすべてを注げるかどうか。自然と浮かび上がったクラブは、一つだけだった。

「本当にドキドキ」の待ち時間。河合竜二GMから届いた一本の電話

北海道コンサドーレ札幌 堀米悠斗

沖縄キャンプでトレーニングに励む北海道コンサドーレ札幌の堀米悠斗【写真:黒川広人】

「自分がやりがいを持って、プレーできるチームはどこか。それがすべての基準でした。札幌は地元ですし、アカデミー時代から育ててもらったクラブ。条件やお金は二の次でした。

 アカデミー時代からの同期でもある(深井)一希が引退するタイミングも重なって、彼や(荒野)拓馬くんに連絡をしたら、『そろそろ戻ってきてもいいんじゃない?』と言ってくれて。一希や拓馬くんの言葉に背中を押されて、GMでもある(河合)竜二さんに電話をさせてもらいました」

 河合GMからの返答は「気持ちはわかった。持ち帰って検討する」。

 そこから待ちの時間が続いた。

「本当にドキドキでした。札幌に戻れるのか。そもそもプロサッカー選手として続けていくことができるのか。不安はありました」

 新潟で挨拶周りをしていたある日、河合GMから一本の電話が鳴った。



「明日、どっちにしろ決まるから。心の準備はしておいて」

 そして、翌日、届いたのはGOサインだった。

「本当に嬉しかったです。お金の話もほとんどしないまま、『お願いします。自分にできることは全部やります』と伝えました。ここ数年は自分のやりたいことよりも自分を雇ってくれるチームや地域のために何ができるかを強く考えるようになりました。

 札幌では年齢的にも上になりますし、自己犠牲という言い方が正しいかはわかりませんが、このチーム・地域のためにやりたいと強く思っています」

 地域のために。その姿勢で向き合い続けてきたからこそ、堀米は新潟でも深く愛されてきた。退団決定後には、飲食店で遭遇したサポーターからチャントで盛大に送り出される場面もあった。

 次なる大きなミッションは、地元クラブのJ1昇格。堀米にとって、札幌とはどんな存在なのか。

クラブを一度離れたからこそ…「育ったクラブに還元するルートもすごく大切なこと」

北海道コンサドーレ札幌 堀米悠斗

アルビレックス新潟から北海道コンサドーレ札幌に完全移籍加入した堀米悠斗【写真:黒川広人】

「最後にここでプレーしたいと思ったのは、アカデミー育ちだからだと思います。自分の基礎を作ってくれたクラブですし、やっぱり特別です。何より地元ですから。

 新潟に行って、新潟出身の選手が地元でプレーしている姿を見て、いいなと思いましたし、自分のルーツがある場所でプレーするのは、本当に幸せなことだと思います。特別な理由はやっぱりそこだと思います」

 クラブにとって、アカデミー出身選手の台頭は不可欠だ。だが、何事もバランスが大事だと思っている。同じメンバーで戦い続けることにも良し悪しがある。その意味でも、外の世界を経験した堀米が帰ってきた意義は大きい。



「ずっと同じクラブでキャリアを積み重ねる、拓馬くんや一希っていう存在はすごく大事で尊いと思います。一方で、いろんなことを外で学んで、それを育ったクラブに還元するルートも客観的に見るとすごく大切なことだと思うので。

 そういう道を辿ったものとして、このクラブに何をもたらせるかは、自分のようなアカデミー育ちの選手にとってもすごく重要になってくると思っています。自分が結果を残して、他を見てきたアカデミー育ちの選手は違う経験値を持っていて、その形もすごくいいなってクラブに思ってもらえるように。その意義をしっかり示したいと思います」

 札幌復帰が決まると、多くの激励のメッセージが届いた。中でも印象的だったのが、アカデミー同期で札幌でも共に戦った神田夢実からの言葉だった。

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