ユース時代に才能を高く評価され、プロの舞台での活躍も間違いないと期待された選手が多くいる。しかし、そういった才能の持ち主でも、ケガやプレッシャーに苦しみ、大成しなかった者は少なくない。今回はJリーグの育成組織で期待を集めながら、才能を発揮しきれなかった選手を紹介する。※成績は『Transfermarkt』を参照。[5/5ページ]
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MF:松村亮(まつむら・りょう)
生年月日:1994年6月15日
主な在籍クラブ:ヴィッセル神戸、AC長野パルセイロ、BGパトゥム・ユナイテッド
松村亮は、ヴィッセル神戸のアカデミーで育ち、その圧倒的なテクニックから「神戸のメッシ」と称された天才ドリブラーだ。
168cmの小柄な体躯ながら、磁石のように足に吸い付く細かいタッチで相手守備網を無力化する様は、ユース年代で異彩を放っていた。
サッカーU-17日本代表にも招集され、高校3年時の2012年にナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)でトップチームデビュー。17歳11カ月での公式戦出場は、クラブの未来を照らす希望そのものだった。
2014年には、前年に引退したクラブのレジェンド・吉田孝行の背番号17を継承するなど、クラブからの期待も並々ならぬものがあった。
しかし、Jリーグの舞台では、その才能を開花させることができなかった。
トップチームでは定位置をつかめず、栃木SCや徳島ヴォルティスへの期限付き移籍を繰り返したが、目立ったインパクトを残すには至らなかった。
2017年限りで神戸を退団し、トライアウトを経てJ3のAC長野パルセイロへ加入したが、ここでも1年で契約満了となり、24歳でJリーグから姿を消した。
だが、松村は終わらなかった。2019年にタイへ渡ると水を得た魚のように復活。2部リーグで2桁得点を記録して評価を高め、2021年にはタイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドにステップアップを果たした。
さらに2022年からはインドネシアへ活躍の場を移し、現在は名門プルシジャ・ジャカルタで攻撃の核として君臨。2024/25シーズンには7ゴール8アシストを記録し、現地のサポーターを虜にしている。
2025/26シーズンはケガで出遅れたあと12月に復帰を果たしたが、審判に対する不適切な行為があったとして、4試合の出場停止処分を受けており、波乱のシーズンを送っている。
それでも、かつて日本で挫折を味わった天才は、異国の地でもう一つの幸福な到達点と言えるだろう。
【著者プロフィール:編集部】
国内外のサッカーを専門に取材・執筆・企画する編集チーム。戦術分析、ニュース報道、コラム制作からデータリサーチまで、各分野のスペシャリストが在籍しており、欧州主要リーグ、サッカー日本代表、Jリーグはもちろん、女子サッカーや育成年代まで幅広いテーマをカバーする。現地取材で得たリアルや、データを活用したユニークなコンテンツなど、読者に“今、本当に知るべきサッカー情報”を届けることを使命とし、読者に寄り添い、サッカーをより深く、より立体的に楽しめるコンテンツづくりを目指している。
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