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J1 3時間前

「自分の限界はここなのだろうか」現役Jリーガーがいつの間にか忘れていたもの。福島ユナイテッドで視る新しい景色【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images
奈良クラブFW岡田優希
奈良クラブ時代の岡田優希【写真:Getty Images】



 現役Jリーガー・岡田優希が綴るコラムは4回目を迎えた。契約満了を経験し、一時は現役引退も頭をよぎった岡田は、2シーズンプレーした奈良クラブを離れ、今季から福島ユナイテッドFCでプレーすることに。今回も紆余曲折のキャリアを歩む中で感じたことを、感じたままに綴っていく。(文:岡田優希)[1/2ページ]
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現役Jリーガーが言語化する作業

 2025年からこのコラムの場をいただき、「在り方」と「魅せ方」を綴りました。

 ありがたいことに多くの反響をいただきました。

 改めて振り返ると自分にとって当たり前のことでも、こうして形にすることに価値があるとは思ってもいませんでした。

 また言語化する作業は貴重なことで、客観的に見えてくるものがあります。

 今年も自分がプロとして歩んでいく過程を残していきたいと思います。


 今回は新シーズンを迎えるにあたり意気込みを綴ります。

 2025シーズンは最終節までプレーオフを争いました。

 2024シーズンはホーム最終戦で残留を決めたことからすると、大きな躍進のシーズンだったと思います。

「2024シーズンの悔しさをぶつけたい」と多くの場所で語りました。

 その結果多くの勝利を分かち合うことができ、上を目指してプレーする喜びを噛み締めていました。

「自分の限界はここなのだろうか」


ギラヴァンツ北九州時代の岡田優希【写真:Getty Images】

 しかし個人的に限界を感じていました。

「在り方」「魅せ方」を胸に日々プレーしていても、身体が動かない。

 サッカーを心から楽しめない。

 ハードなトレーニングによる疲労の蓄積はありましたが、それ以上にリカバリーが追いつかないので、パフォーマンスが下がっていく感覚でした。

 数字だけ見れば、2024シーズン13ゴール5アシスト、2025シーズン11ゴール7アシストと、年間18ゴール関与は変わりません。

 ですが最後の2ヶ月はゴールもなくスタメンから外れました。


 不完全燃焼どころか、燃えることもできない。

 でも試合はやってくるし、そのための準備をしてプレーしてまた疲労する。

 この負のサイクルから抜け出すことができませんでした。

 J3で4年間プレーして昇格や得点王には届いていない。

 自分の限界はここなのだろうか。

 そんな想いを抱えながら、昨年の12月は大学の同期の結婚式に出席したり、お世話になった方々へご挨拶に伺ったり、妻と旅行に行ったり、オフシーズンを楽しく過ごしていました。

 そこで長年お世話になっている治療院の院長とお話をしていて、ある言葉にハッとしました。

「岡田くんはサッカーを楽しんでいないもんね」

 会話の流れで何気なく言われた言葉ですが、自分にとって大きな衝撃でした。

いつの間にか忘れていたもの

「サッカーって楽しいの?」

「仕事って楽しいの?」

 早稲田大学ア式蹴球部で4年、FC町田ゼルビアで3年、その後はJ3で3年プレーしました。ドイツに赴いた時期も含め、記憶を遡りましたが、プロを目指してボールを蹴り始めてから、サッカーを楽しんでいた記憶を見つけることに苦労しました。

 ようやく思い出せたのは幼稚園時代に所属していた丸山FCで、無我夢中にボールを追っかけていた時です。


 プロになってから、というより、プロを目指してから、サッカーは楽しいものだったはずなのに、いつの間にか、結果や立場、過去や未来にとらわれていたのだと気づきました。

 大前提として、プロの舞台でサッカーができる喜びや有り難みは、リスタートをしてから日々噛み締めています。

 チームメイト、監督、スタッフ、フロント、クラブ、スポンサーの皆さま、行政の皆さま、ファン・サポーターの方々の応援のおかげで、こうしてJリーグの舞台でサッカーをすることができています。

 いつ自分のキャリアが終わるか分からないから、日々後悔ないように全力を尽くしてきました。

 でもいつの間にか忘れていたものがあった。

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