サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものがある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。ランキングの31位から35位を紹介する。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位(最高位)を60ポイント、60位(最下位)を1ポイントとして降順で計算した合計値。[3/5ページ]
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33位:ロアッソ熊本(105)
2025リーグ戦成績:18位(J2)
2025シーズンホームグロウン人数:4人(28位タイ)
2025リーグ戦ホームゲーム平均入場者数:6,715人(34位)
2024年度営業収益:約11億3,300万円(39位)
2025シーズンのロアッソ熊本は、悲劇的な終わり方だった。
最終節・ヴァンフォーレ甲府戦。引き分けで残留がほぼ手中に収まる状況下で、堅実に勝ち点1を選択したが、別会場でカターレ富山が終盤のゴールラッシュにより得失点差で逆転し、熊本のJ3降格が決まった。
しかし、パワーランキング33位という指標は、熊本の地力が本来はJ3降格の憂き目に遭うようなものではないことを示している。
ホームゲームの平均動員数は6,715人。イベント効果もあったとはいえ、第34節・大分トリニータとの「九州ダービー」では1万8,340人の動員を記録するなど、動員数はJ2で12位の水準だった。
2024年度営業収益は約11億3,300万円で、3期連続の黒字を達成したものの、リーグ全体で39位となっており、J2下位にあたる。
ただ、限られた予算規模は、育成力で補ってきた。
ホームグロウン選手数は4人で、高水準とは言えないまでも、質が高い。
2025シーズンは神代慶人がJ2リーグで21試合に出場して8ゴールを記録し、昨年12月にアイントラハト・フランクフルトに完全移籍した。
2024年夏にベフェレンへ期限付き移籍し、Jリーグ百年構想リーグからアビスパ福岡に加入する道脇豊も熊本の育成組織出身で、世界基準のタレントを次々と輩出している。
大木武監督が退任し、片野坂知宏新監督を迎えた熊本。降格による予算削減は避けられないが、それは裏を返せば、神代に続く「未知なる若手」を抜擢する絶好の機会でもある。
磨き抜かれた育成組織と、J2で拡大させたファンベースを武器に、再びJ2に戻る土台を強固にしていきたいところだ。

