サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものがある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。ランキングの51位から60位を紹介する。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位(最高位)を60ポイント、60位(最下位)を1ポイントとして降順で計算した合計値。[4/5ページ]
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57位タイ:奈良クラブ(31)
2025リーグ戦成績:9位(J3)
2025シーズンホームグロウン人数:1人(48位タイ)
2025リーグ戦ホームゲーム平均入場者数:2,239人(59位)
2024年度営業収益:約4億6,500万円(57位)
奈良クラブは2025シーズンのJ3リーグを9位でフィニッシュした。
6月に選手への不適切行為により中田一三監督との契約を解除。後を継いだ小田切道治監督が混乱を鎮め、前年の17位から9位へと大きく順位を押し上げた。
しかし、パワーランキング57位という評価は、戦績の飛躍に事業規模が追いついていないことを感じさせる。
集客面では、1試合平均観客数が2,239人と前年の1,879人から着実に増加した。
だが、Jリーグ全体の動員が爆発的に伸びるなかで順位は59位へと沈み、相対的な立ち位置は低下している。
2024年度の営業収益も約3,600万円の上昇だったが、全体順位は一つ下げて57位に後退。上位クラブとの資金力の差は、依然として大きな壁として立ちはだかっている。
その一方で、クラブの歴史を塗り替えるポジティブな変化もあった。
2025シーズンに川井大地がトップチーム昇格を果たし、クラブ史上初めてユースからのトップチームへの昇格が実現した。
アカデミーからの供給ラインが初めて機能したことは、奈良にとって大きな収穫である。
2026年、奈良は元日本代表の大黒将志を監督に招聘し、さらなる高みを目指す。
クラブは中期経営計画として2030年の売上10億円や専用スタジアム建設を掲げており、その野心はJ3の枠に収まるものではない。
2026/27シーズンは昇格争いに食い込むことを想定しているはずで、まずは明治安田J2・J3百年構想リーグで力を養いたい。

