明治安田J1百年構想リーグ第2節、ヴィッセル神戸対V・ファーレン長崎が13日に行われ、2-0でホームチームが勝利した。長崎は、開幕節のサンフレッチェ広島戦に続き敗戦。J1で上位を争うチームに力の差をまざまざと見せつけられた格好だ。長崎の中でもJ1経験が豊富な岩崎悠人は、現状に何を感じているのだろうか。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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ヴィッセル神戸との力の差は歴然だった
2025年のJ2で2位を確保し、2018年以来8年ぶりのJ1昇格を果たしたV・ファーレン長崎。彼らが明治安田J1百年構想リーグで目指すのは優勝、そしてAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場権獲得だ。
昇格組としては相当に高いハードルではあるが、ピーススタジアムや熱心なサポーターの存在などを踏まえると、ポテンシャルは大いにある。昨夏から指揮を執る高木琢也監督の下、強固な基盤を作るところからがスタートだ。
しかしながら、2月6日の開幕・サンフレッチェ広島戦は1-3で敗北。ACLE勢相手に黒星を喫し、厳しい幕開けを余儀なくされた。
それから1週間後の13日、アウェイ・ノエビアスタジアム神戸で迎え撃ったのは、またもACLE勢のヴィッセル神戸だ。
相手は10日にFCソウルとのアウェイ戦を消化しており、消耗度が高い分、長崎にもつけ入るスキがあるはず。2024年以来の敵地凱旋となったキャプテン・山口蛍中心に粘り強い戦いを見せたかった。
けれども、2023・2024年J1連覇の強豪クラブの強度とハードワークは彼らの想像をはるかに超えていた。序盤から神戸の圧力を受けてボールを保持できず、一方的に押し込まれてしまう。
「自分たちのミスが増えたかなと」
25分にCKの流れから酒井高徳に先制点を奪われると、前半終了間際の42分にも佐々木大樹に打点の高いヘッドを決められ、45分間だけで0-2。長崎はシュートを1本も打つことができず、本当に厳しい内容を強いられたのだ。
「自分たちの距離感がよくなかった。相手のプレッシャーがそこまで速いというわけではなかったと思うんですけど、距離感が悪かったせいでプレッシャーを感じて、自分たちのミスが増えたかなという気がします」
こう振り返るのは、右ウイングバック(WB)で先発した岩崎悠人。今季から長崎に完全移籍した彼は、北海道コンサドーレ札幌や湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、アビスパ福岡でJ1の舞台に立ってきた経験豊富な人材だ。
そのキャリアを生かし、長崎を引っ張ろうという意気込みも見て取れたが、この日前半は思うように流れをつかみきれない。ポジション的な問題もあったのか、本人もやりづらさを感じていた様子だった。
「ハーフタイムに高木さんは『もう一度、このメンバーでしっかりやろう』と言ってくれた。僕自身も背後を狙い続けるイメージでやろうと考えました」と背番号8をつける彼は力を込めた。
もともと岩崎はダイナミックな運動量と推進力が売りの選手。それは2017年FIFA U-20ワールドカップ(W杯)に堂安律や冨安健洋らとともに主力として出ていた頃からの強みだ。その力を後半こそ出し切りたかった。
高木監督の声かけや岩崎自身の強気の姿勢、途中からの4バックへの変更などの効果もあって、後半は流れが多少なりとも改善されたように見受けられた。
が、フィニッシュには持ち込めず、途中出場のノーマン・キャンベルが後半28分に初シュートを放つまで、チャンスらしいチャンスを作れなかった。
「チーム全体に少し自信がなくなっている感じ」
最終盤にはマテウス・ジェズスや笠柳翼が惜しい決定機を作るところまで盛り返したが、終わってみれば、シュート数17本対4本。山口蛍が「神戸は強かった、すごく差を感じました」と淡々と語るほどの完敗だった。
「チーム全体に少し自信がなくなっている感じがする」と岩崎も顔を曇らせた。
「J1は一瞬のスキでやられてしまうというのを開幕戦も今回も見せつけられた部分。特に今日は70分、75分くらいまでチャンスを全く作れなかった。そこはちゃんと受け止めて、改善しなきゃ行けないなと思います」
長くJ1で戦い、2022年EAFF E-1サッカー選手権(豊田)にも参戦するなど、高度な国際経験値も兼ね備えた岩崎は、今の長崎では山口蛍に次いで高度な経験値を持つ人材だ。ゆえに、今こそ率先して苦境打開に動かなければならないのだ。
「自分は蛍君には到底、叶わないですけど、いろんな経験をしてきているとは思っている。自分から要求できるところはしっかり要求しながらやっていきたいです。
今、チームに一番必要なのは、隣のポジションだったり、後ろの選手とよりコミュニケーションを取っていくこと。『もっとこうしてほしい』と伝えていく部分は自分自身もまだまだ足りない。もっとアクションを起こしていく必要があると思います」



