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J1 14時間前

「強くあり続けるために」鹿島アントラーズが掲げた中長期的な方針。小泉文明社長が説明したクラブのあり方「次世代に継承していく」

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images
鹿島アントラーズの小泉文明社長と濱口昌紀執行役員
鹿島アントラーズの小泉文明社長と濱口昌紀執行役員【写真:加藤健一】



 21日にメルカリスタジアムで行われた明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第3節・鹿島アントラーズ対柏レイソルは「サステナビリティマッチ~ずっと同じ夢を~」として開催された。試合前に行われた会見に登壇した小泉文明社長と濱口昌紀執行役員は、この方針が持つ意義を語っている。(取材・文:加藤健一)[1/2ページ]
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鹿島アントラーズが掲げた方針

鹿島アントラーズ
【写真:Getty Images】

 鹿島アントラーズは、クラブのサステナビリティ方針として「ずっと同じ夢を 〜 With Antlers, For Sustainability 〜」を昨年11月に掲げている。

 創設期から続く「Football Dream」の精神を、環境・地域・クラブ運営の持続性という観点から再定義したものである。

 これまでもクラブは地域連携や環境配慮の取り組みを行ってきたが、それらを体系的に整理し、明確な方針として示した点が今回の特徴だ。勝利を追求する姿勢と並行して、地域社会の一員として次の世代へ受け継いでいくため、クラブの中長期的な経営方針として制定した。


 会見では、気候変動に関する具体的なデータも示された。1990年代初頭にはほぼゼロだった猛暑日が、2024年には12日に増加しているという。夏場の試合や練習環境への影響は無視できない水準に達しており、選手からも厳しい声が上がっているという現状が共有された。

 代表取締役社長の小泉文明は、クラブとしてサステナビリティに取り組んでいく意義を説明した。

鹿島アントラーズが強くあり続けるために

鹿島アントラーズの小泉文明社長
鹿島アントラーズの小泉文明社長【写真:加藤健一】

「クラブの存在価値でありますとか、今後の方針は大きく変化していく中で、これからもやはり同じようにJリーグを舞台として強くあり続ける、そして街の未来を私たち自身が大きくリードしていく存在ということで、この同じ夢を見続けるためにはその前提となる環境面でありますとか、地域の持続継続性といった点で、次世代に継承していくのは非常に重要じゃないかなというふうに考えております」

 クラブが強くあり続けるためにも、環境面や地域社会の継続性を次世代へ引き継ぐことが、「同じ夢を見続ける」ための前提になるとの認識を小泉は示した。


 鹿島アントラーズのサステナビリティは、「Planet(地球)」「Family(地域・パートナー)」「Spirit(哲学・ガバナンス)」の3つの柱で構成される。サステナビリティ担当で執行役員の濱口昌紀は、これらを今後も軸となる普遍的な柱と位置づけた。

 この3本柱を具体化するため、クラブは7つのテーマを設定している。気候変動への対応、環境負荷の少ない移動、資源循環、水資源、自然と生態系の保全、持続可能な調達、そして開かれた観戦体験である。それぞれに具体的な施策と目標を定め、段階的に実装を進めていく方針だ。

講じた具体策

鹿島アントラーズの濱口昌紀執行役員
鹿島アントラーズの濱口昌紀執行役員【写真:加藤健一】

 具体策の一つとして、スタジアムやクラブハウスなどの施設で使用する電力を100%再生可能エネルギーへ切り替えることが発表された。県内の太陽光発電由来の電力も活用し、地域で生まれたエネルギーを地域で使う仕組みを構築している。

 資源循環の分野では、スタジアムでのごみ分別を9区分に拡大し、エコステーションを設置。紙コップの回収方法の見直しなど、再資源化効率を高めるための運用改善も進めている。一方で、分別細分化に伴う作業負荷の増加といった課題も認識しており、現場での最適な方法を模索している段階だ。

 スタジアムグルメの容器については、場内では原則として紙製へ移行し、場外も今季中に順次切り替えていく予定である。さらに、食べ残しや飲み残しを分別し、堆肥化や原料化へつなげる取り組みも開始。パートナー企業の設備を活用し、堆肥を農園で活用する循環モデルを検討している。


 食の分野では、低炭素食品の導入も進める。スタジアムでの提供に加え、トップチームやアカデミーの食事にも大豆ミートなどを取り入れている。

 移動に関して鹿島は地域の特性上、自家用車でのスタジアム来場が多いという課題を抱える。その課題に対する取り組みとして、柏レイソル戦では相乗りマッチングサービス「notteco(ノッテコ)」の実証実験が行われている。来場者の移動データを把握しながら、環境負荷低減と観戦体験の両立を図る考えだ。

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