RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】
明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-B第3節が21日に行われ、RB大宮アルディージャはホームで福島ユナイテッドFCに6-0で大勝し、開幕3連勝を飾った。25歳を迎え、キャリアの分岐点を迎えた泉柊椰が今求めるのは内容ではなく結果。焦りも迷いも抱えたまま、背番号14は自分の殻を破ろうとしている。(取材・文:浅野凜太郎)[1/2ページ]
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「今年は勝負するって決めているので」
RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】
この日は試合前から、泉柊椰を取材すると決めていた。
もちろん、福島ユナイテッドFCに所属する弟のMF泉彩稀とのマッチアップを期待していたし、ここまでのパフォーマンスを見ていれば、今季初得点がいつ生まれてもおかしくはないと考えていた。
ただそれ以上の理由として、3-2で逆転勝利した前節の北海道コンサドーレ札幌戦での姿が印象的だった。
「今年は勝負するって決めているので」
札幌戦で先発出場して、左サイドで上下動を繰り返していた泉。0-1で迎えた28分には同サイドから同点弾につながる折り返しを披露していた。
札幌戦の後半には足をつっていたが、「あれくらいの出力を前半から出していきたいんです。その時間がちょっとずつのびればいいと思っています」と、95分にFWカプリーニが決勝点を奪うまで足を止めず。
今季初のフル出場を飾った背番号14は、肩で息をしながら仲間たちと勝利を分かち合った。
ただ、試合を終えた泉に満足感はなかった。むしろ『まだまだ…』と言わんばかりの表情で、パフォーマンスを評価されても、首をかしげる。
「やっぱり自分から逃げたくなかった」の意味

RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:編集部】
「トライしていることもうまくいっていますし、調子自体は結構いいと思っています。だけど数字をつけるところが物足りない。そこにこだわってやらないといけないと思います」
ヴィッセル神戸の下部組織で育ち、びわこ成蹊スポーツ大学を経てトップチームに加入した泉だが、同クラブでのリーグ戦出場は8試合に留まった。
そこから2024年に当時J3だったRB大宮アルディージャに育成型期限付き移籍すると、J2復帰に貢献して昨季より完全移籍に移行。ここまで2シーズン連続で35試合以上に出場しており、レッドブルのサッカーを体現するようなダイナミックなプレーを見せている。
順調な成長曲線を描いているように思える。一方で背番号14自身は「だいぶ焦ります」と胸中を明かした。
「去年は対策をされだして、周りの人をうまく使いながらバリエーション増やすことで、その対策を超えようとしました。でもやっぱり自分から逃げたくなかった。
今年はドリブルのところでより勝負して、周りが空いたら使うという考えです。僕は結果を出して、上に行かないといけないので、無駄な時間は過ごしたくないんです」
札幌戦では、確かにチームの勝利に貢献した。しかしそれよりも、25歳の泉が“いま”欲しているのは、分かりやすい結果だ。
「海外とか日本代表を目標にするならば…」

RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】
大宮は昨季、明治安田J1昇格プレーオフで敗戦。今オフには主力組も流出した一方で、 宮沢悠生監督が「(市原)吏音とか(津久井)匠海のような素晴らしい選手が海外やJ1に行きました。でもその穴を埋めるのではなくて、新加入選手が自分たちの色を出しながら、RB大宮らしいサッカーを表現しようとしてくれて、それが機能している」と誇るように、大宮は新戦力と若手が台頭している。
神戸でキャリアの壁にぶつかったからこそ、焦りはずっと感じていた。
それでも「去年よりも覚悟が決まっている」と、泉がこれまで以上の焦燥感を口にするのは、これらの出来事が少なからず影響していた。
「自分の思い描いているキャリアとは違うので、焦りはあります。みんなもステップアップをしていて刺激になっているなかで、ここで勝負をしないといけない年齢になっている。
海外とか日本代表を目標にするならば、年齢はきびしい段階にきていますし、レッドブルでは若返りをすごく感じるから、特にそう思わされるんです」
25歳といえど、もう若くない。
札幌戦ではカットインなどからシュートを放ったが、ネットを揺らすことはできなかった。