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「去年よりも覚悟が…」RB大宮アルディージャ、泉柊椰が「だいぶ焦る」と口にする理由。25歳のMFがいま最も欲するもの【コラム】

シリーズ:コラム text by 浅野凜太郎 photo by Getty Images

RB大宮アルディージャ、泉柊椰
RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】



 明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-B第3節が21日に行われ、RB大宮アルディージャはホームで福島ユナイテッドFCに6-0で大勝し、開幕3連勝を飾った。25歳を迎え、キャリアの分岐点を迎えた泉柊椰が今求めるのは内容ではなく結果。焦りも迷いも抱えたまま、背番号14は自分の殻を破ろうとしている。(取材・文:浅野凜太郎)[2/2ページ]
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「何回でもトライしていれば…」

RB大宮アルディージャ、泉柊椰
福島ユナイテッドFC戦でゴールを挙げたRB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】

「もうちょっと落ち着いた方がいいと思うんですけど、練習して早く脅威になりたいんです。何回でもトライしていればいつか入ると思うので、もうちょっと待ってもらえると」と微笑む姿を見て、福島戦での取材を決めた。

 札幌戦から1週間後の福島戦でも、泉は左サイドで先発出場。この日は母親もスタジアムに駆け付け、兄弟対決の行方を見守った。

 試合は大宮が圧倒する。11分にMF小島幹敏の先制点で勢いに乗ると、32分には左サイドで裏のスペースに抜け出した泉が鋭いグラウンダークロスを供給。これが山本桜大の3試合連続弾につながった。

 今季の2アシスト目を記録した背番号14だが、ほしいのはゴールだ。



「やっぱりウィンガーは勝負してなんぼ。アシストをしたシーンもそうですが、背後をとって、いろいろなバリエーションで勝負することがステップアップにつながる」と攻撃の手を緩めない。

 そして迎えた64分に待望の瞬間が訪れた。

 再び左サイドでボールを受けた泉はドリブルを開始。相手DF二人に挟まれる状況で「腹をくくった」と間を突破した。

 ゴール前にも人数はそろっていたが、DFを振り払いながら強引にボックス内へ侵入し、最後は右足シュートを流し込んで、今季初得点に喜びを爆発させた。

「今年はより殻を破りたい」

RB大宮アルディージャ、泉柊椰

RB大宮アルディージャの泉柊椰【写真:Getty Images】

「本来はあのドリブル突破が自分のストロングです。あのプレーを3節目で出せたことは良かったと思います。勝負しないと自分のポジションは意味がない。結局、消えていってしまう。だからこそ、今年はより殻を破りたいんです」

 たとえ他の選択肢があったとしても、まずは自分でゴールを目指す。今シーズンにかける泉の想いが、形となったプレーだった。

 その後もドリブル突破や素早い切り替えで攻守に貢献した泉だったが、期待された兄弟対決が実現する前の73分に途中交代。弟の彩稀は兄と入れ替わるような形で、76分にピッチへ立った。

 試合はその後も得点を追加した大宮が6-0で大勝し、開幕3連勝を飾った。

「絶対に負けたくなかった。弟には負けたくない」と兄の意地を見せた泉は、1ゴール1アシストを記録して、勝利に大きく貢献。文句の付け所がないパフォーマンスだったが、強いて言えば泉兄弟の直接対決が見られなかったことだけが、惜しい試合だった。



 報道陣から称賛されている泉を見ながらそんなことを思っていると、背番号14はまた首をかしげた。

「僕がもうちょっと長く残れたら良かったですけど、弟の対決はまた別の機会ですね」

 これだけの結果を残しても、自分に矢印を向けられるのかと驚いた。

 もちろん1試合の結果だけで泉本人の焦りはなくなっていないが、これだけの向上心があれば、25歳の成長は止まらないだろう。

 今シーズンの泉を、次もまた取材したくなった。

(取材・文:浅野凜太郎)

【著者プロフィール:浅野凜太郎】
あさの・りんたろう/2001年、千葉県生まれ。大学在学中からライターとして活動をはじめる。Jリーグや地域リーグ、海外サッカーを含め、雑食的に取材・撮影を行う。

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【了】

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