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コラム 8時間前

なでしこジャパンにとって苦しい1年は「W杯で勝つための糧」。世界を知る熊谷紗希だからこそ、還元できるもの【コラム後編】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images

なでしこジャパン 熊谷紗希

なでしこジャパンの熊谷紗希【写真:Getty Images】



 FIFA女子ワールドカップ2026(W杯)の出場権がかかったAFC女子アジアカップが3月1日、開幕した。なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は2大会ぶり3度目の優勝とW杯10大会連続出場を目指している。今のなでしこジャパンで2011年のW杯優勝をただ一人知る熊谷紗希に、昨年自身に起きた変化とともに、W杯への思いを聞いた。(取材・文:竹中愛美)[2/2ページ]

【単独インタビュー/取材日:2月21日】 

「もうこれが1番の幸せじゃないですか」熊谷紗希が明かすW杯のその先

なでしこジャパン 熊谷紗希

なでしこジャパンの熊谷紗希【写真:田中伸弥】

「そこまで何があるかわからないですし、選手は選ばれるものなので、選ばれる選ばれないもあると思いますけど、この次のW杯は私自身が今1番大きな目標にしている。そこに入って、世界一になるのが今の夢というか、目標になる。

 そこは本当にブレてないので、そのために日々生きているし、そのために日々プレーしているところは大前提にある。そこにかける思いは強いですね」

 まっすぐな眼差しで現在の夢について話してくれた熊谷。挑戦こそが生きがいなのではないかと錯覚してしまうのだが、さらに、その先に描いていることがあるのか、聞いてみた。

「待って、それ以降、私何歳なの(笑)?それ以降はそのとき考えたいですけど」と言ってからしばらく沈黙が続いた。

「あんまりないですね。その後、例えばWEリーグでやりたい、日本に帰りたいとかも正直、今はないです。(W杯で)優勝して、引退か、そうじゃないかを選べる状況になったら、もうこれが1番の幸せじゃないですか」



 今後の展望については「あまりない」と言いながらも言葉を紡いでくれた。

「プレーヤーとしてはもう遠い未来なんてないので。30歳を超えたあたりからは1つ1つというか、本当に細かく言ったら1日1日ですけど、先5年を見れる年じゃない。まずは、1つ大きな目標としてW杯があって、その先は家族会議でまたやれたらなと思います」

 飾らない彼女の態度は気持ちがよい。熊谷が言うように、まずは目の前のアジアカップでW杯出場権を獲得し、目標とする優勝を飾ることが第一だ。

 だが、いつの日か、またこの話の続きができたとき、どんな言葉を発するのか、とても気になってしまった。これからもまだまだファン・サポーターをワクワクさせてほしいという矛盾した気持ちとともに。

(取材・文:竹中愛美)

【著者プロフィール:竹中愛美】
1990年、北海道生まれ。Jリーグ開幕で世の中がサッカーブームに沸いていた幼少期、「入会したらヴェルディ川崎のボールペンがもらえる」の一言に釣られて地元のクラブでサッカーを始める。以降、サッカーの魅力に憑りつかれた日々を送ることに。ローカルテレビ局時代に選抜甲子園や平昌冬季五輪、北海道コンサドーレ札幌などを取材し、2025年よりカンゼンに所属。FWだったからか、この限られた文字数でも爪痕を残したいと目論むも狭いスペースの前に平伏す。ライターとして日々邁進中。

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【了】
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