明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第5節、鹿島アントラーズ対東京ヴェルディが7日にメルカリスタジアムで行われ、2-0で鹿島が勝利した。5試合を終え、鹿島は4勝1PK敗で首位に立っている。
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「勝っているからこそ」
本当に勝ったのか。そう思ってしまうのは試合内容のせいではなく、試合後の鹿島アントラーズの振舞いを見て感じたからである。
鹿島の勝利を告げる試合終了のホイッスルが鳴ったが、鹿島の選手たちに笑顔はあまり見られない。どちらかというと表情は険しかった。
昨季から、こういった光景は頻繁に見られるようになった。
メルカリスタジアムに東京ヴェルディを迎えた一戦。柴崎岳の左コーナーキックから、ニアで鈴木優磨がピンポイントに合わせて先制。前半アディショナルタイムには、溝口修平のクロスが相手のハンドとなり、獲得したPKを鈴木優磨が決めた。
後半は追加点こそ奪えなかったが、盤石な試合運びで時計の針を進め、2-0で勝利した。
「入りから今やろうとしていることを攻撃でも守備でも、積極的にボールを受けるとか、積極的にボールを取りに行くとか、そういうものを体現してくれた」
鬼木達監督は試合後、選手たちの躍動を称えたが、同時にまだまだ満足のいくパフォーマンスではなかったことも伝えた。
「欲を言えば、このゲームに関しては3点目をしっかり決めないと、どういうゲームになったかは分かりませんし、勝っているからこそ、しっかりその部分にこだわってやっていきたいと思います」
その姿勢が次の1勝へと繋がっていく
勝って良かったでは終わらない。昨季に明治安田J1リーグを制し、今季も明治安田J1百年構想リーグEASTで首位に立つ。このチームの強さはこの姿勢に凝縮されていると言っていい。
「もちろん勝つのは大事ですけど、勝ち方にこだわっているのは最近よくみんなで言っている。監督も含めて。もっと改善していける部分はたくさんあるので、継続していくのではなく、向上していかないといけないっていうのはみんなが思っていることです」
鈴木優磨はそう語る。試合後、鬼木監督と言葉を交わしたのち、チームメイトとコミュニケーションを取っている鈴木優磨の姿があった。
昨年9月以来の先発となった柴崎も、課題を挙げていた。
「あれだけセットプレー、コーナーキックの本数があった中で1点ではちょっと寂しいかな。個人的にはあまり満足していないです」
秋春制への移行に伴うこの特別シーズンをどのような姿勢で戦うのか。開幕前に植田直通はこう話している。
「目の前にタイトルがある、大会がある限り、自分たちは負けてはいけないと思っている。獲れるものはすべて獲る。今までもそうやってきましたし、どんな大会だろうが自分たちが1位だと、鹿島が1番だと。それを証明したい」
当然、彼らの姿勢や言動を、若い選手は見ている。そして、それがチームスピリットとなって伝播していくのだろう。
そして、その姿勢が次の1勝へと繋がっていく。
(取材・文:加藤健一)
著者プロフィール1993年生まれ、東京都出身。『フットボール批評』、『ジュニアサッカーを応援しよう!』(ともにカンゼン刊)の編集を経て、フットボールチャンネル編集部に。『育成主義』(曺貴裁著)、『素直 石川直宏』(馬場康平著)などの書籍編集を担当。箸とペンは左利きだが、スポーツはだいたい右利き。2023年より日本代表を取材。Twitter:@katoken97
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