井端弘和率いる侍ジャパンは、大会連覇を目指してワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨んでいる。もしこの国にJリーグがなく、彼らがバットを手に育っていたら、侍のユニフォームを着ていたのではないか――。今回は、そんな「野球選手になっていたかもしれない」サッカー選手をピックアップして紹介する。[3/5ページ]
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DF:福森晃斗(ふくもり・あきと)
生年月日:1992年12月16日
所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌
北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗も、Jリーグの企画において「もしJリーガーになっていなければ、野球選手をしていた」と回答した一人だ。
福森は、「野球も好きで、中学生になるときに、野球部に入るかサッカー部に入るか迷った」と答えた。
プロになる選手の多くは、幼少期からサッカー一筋であることが多いが、中学進学時まで本気で野球との二択で悩んでいたというのは、珍しいケースと言える。
Jリーグ公式サイトが2019年に実施した「Jリーグ選手で野球チームを作ってみた」という企画でも、福森は7番ライトとして選出され、「ハツラツとしたプレーでチームを救うこと間違いなし!」と記されていた。
福森といえば、代名詞である「悪魔の左足」から放たれるキック精度が最大の武器だ。最後尾からの鋭いビルドアップに加え、セットプレーでは針の穴を通すような弾道を描く。
そのキック精度が野球にそのまま活きるかは分からない。
ただ、止まったボールを蹴るフリーキックと、マウンドから一球を投じるピッチングは、フォームの再現性が重要という点で共通している。
足を弓のようにしならせ、美しい軌道を描くキックのフォームを見る限り、もし彼が「左腕のエース」になっていたならば、精密機械のような制球力で高速スライダーを右バッターのインコースに突き刺す姿を想像したくなる。
もっとも、福森は川崎フロンターレ在籍時のQ&Aで、「生まれ変わるなら何になりたい?」の質問に対し、「やっぱりサッカー選手」と答え、「この世で一番好きなもの」という問いにも「サッカー」と答えていた。
野球への憧れを胸に秘めつつも、それ以上にサッカーを愛し抜いたからこそ、リーグ屈指の「魔法の左足」は磨き上げられた。

