
Jリーグ、古いスタジアムランキング【写真:Getty Images】
壁に直面している。雨を凌げない屋根、不足するトイレ、そしてライセンスに関わる厳しい基準――。歴史の重みを感じさせつつも、アップデートが急務とされるスタジアムはどこか。今回は、サポーターの愛着と「改修への切実な願い」が交錯する、古いスタジアムをランキング形式で順位ごとに紹介する。(建設年は、スタジアムもしくはクラブ公式サイトを参照。開場年が同じ場合は、大規模な修繕や改修が行われている競技場を上位とする)[5/5ページ]
16位:ヨドコウ桜スタジアム

セレッソ大阪の本拠地・ヨドコウ桜スタジアム【写真:Getty Images】
スタジアム建設年:1987年
使用するクラブ:セレッソ大阪
ヨドコウ桜スタジアム(長居球技場)は、2021年の大規模改修で観客・選手双方の体験を大きく向上させた日本屈指の球技専用スタジアムだ。
今回のランキングでは開場年を基準としているが、セレッソ大阪の本拠地は改修の成功例として異彩を放っている。
1987年の開場以来、セレッソのホームとして親しまれてきたが、改修以前はスタンド設備や観戦環境にいくつかの課題があった。
代表的だったのが、屋根カバー率の低さ、観客席の勾配が緩やかで視認性が十分でなかった点だ。
これらは欧州水準と比較すると観戦快適性の面で劣り、ファンから改善の要望が強く出されていた。
こうした課題を解消するため、2009年から段階的に改修プロジェクトが進行し、新メインスタンドの設置、ホーム・アウェイ両スタンドの増築と屋根新設などが実施された。
観客席は勾配20〜35度の2層構造になり、約36%だった屋根カバー率は約70%へと大幅に拡大。
最前列からピッチまでの距離は約5.8メートルに縮まり、これまで以上に選手と観客の一体感が味わえる設計となった。
現行のスタジアムは収容24,481人規模で、J1基準の1万5000人以上をクリアしている。
内装や座席にはチームカラーや「桜」のモチーフを採用し、セレッソの本拠地として一体感を感じられる構造になっている。
一方で、屋根がないアウェイサポーター席の改善およびバックスタンドの改修は依然として求められており、全く課題がないわけではない。
なお、ネーミングライツについては、現行の「ヨドコウ桜スタジアム」という呼称を支えてきた契約が2026年3月末で満了し、4月1日より愛称が「YANMAR HANASAKA STADIUM(ヤンマーハナサカスタジアム)」となる。
本拠地に著しい変化を与えてきたセレッソ。これまでの工事の様子を振り返ると、今後も随所に改善を期待できそうだ。
大阪市の規模とサッカー人気も影響しているだろうが、新スタジアムを計画する多くのクラブと行政にとって眩しく見えそうな改修成功例と言って差し支えないのではないか。
【著者プロフィール:編集部】
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