
ジェフユナイテッド千葉でプレーする小林祐介【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグ第8節が22日に行われ、ジェフユナイテッド千葉は鹿島アントラーズと対戦。試合には1-2で敗れたが、今季の千葉で目覚ましい活躍を見せるベテランがいる。それが、今年でチーム加入6年目の31歳・小林祐介だ。J2時代は出場機会が限られていた男が、ここへ来てさらなる成長を示している。(取材・文:菊地正典)[2/2ページ]
——————————
「僕がクロスを入れられたのは…」

試合後のジェフユナイテッド千葉【写真:Getty Images】
「スペースは見えながらも止まっていたら、タカくんから『前に出ろ』って合図されたんです。それで動いたんですけど、走りながらちょうど受けやすいタイミングでボールをくれた。
だから受ける前から次のプレーに移れると思いましたし、すぐにクロスを入れようと思ったんです。僕がクロスを入れられたのはタカくんのおかげです」
そう言って小林は前に感謝するが、その過程にも小林のチャレンジの成果が表れている。まずは首を振りながらスペースにポジションを取り続けてビルドアップに関与。チームがボールを失ったが、ボールを奪い返した前からパスを受けると、即座に前につないだ。
小林のパスを受けた津久井匠海はファウルされて流れは切れたが、リスタートから左サイドで攻撃に関与し、その流れから敵陣でのスローインを得たのだった。
だが、これらの成果は小林自身が鹿島戦で最も強く感じたものではない。試合が終わって真っ先に感じたのは、悔しさだった。
個人としての手応えについてのコメントも、あくまで記者の質問に応じたもの。最初に試合の感想を問うた記者に対し、「外から見たらどんな感じでした?」と逆質問し、「内容はかなり良かったと思う」と言われると、首を振りながらこう答えている。
「鹿島にやられたという感覚」

ジェフ千葉戦で勝ち越す鹿島アントラーズ【写真:Getty Images】
「逆に言えば、それが鹿島の強みだと思います。早い時間に点を取られたのもありますし、決勝点はセットプレー1本。勝利への執念を見せつけられましたし、『鹿島にやられた』という感覚です。悔しいっすよ、やっぱり。結果が全てなので」
1失点目の場面で自らが止めきれなかったという悔いもある。点を決めるアタッカーや最後に相手の攻撃を食い止めるDFやGKでない以上、チームの結果が自身の評価に直結するとこれまでのキャリアで感じてきた。
結果を切り離せば個人の進歩に手応えは感じているが、そもそも個人の成長も、より高いレベルでチームが結果を得るうえで必要なものだ。
「だから、勝ちたいんです」
そのシンプルな言葉を発する際の目力は強かった。この31歳のボランチの成長は、まだ止まりそうにない。
(取材・文:菊地正典)
【著者プロフィール:菊地正典】
福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。Xのユーザー名は@masanorikikuchi
【関連記事】
「ここにたどり着いたからには…」津久井匠海がジェフユナイテッド千葉で歩む“正解の道”「自分には失うものはない」【コラム】
「めっちゃ凄いなと」天笠泰輝がジェフ千葉で「プレーしたい」と思った理由。実は昨年から、ずっと意識していた【コラム】
ジェフユナイテッド千葉 移籍情報2026