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「ガンバ大阪のために」戦うウェルトンの素顔。ケガを乗り越え、課題に向き合う「監督が理想とするプレーにもっと…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images
ガンバ大阪FWウェルトン
ガンバ大阪FWウェルトン【写真:Getty Images】



今季からイェンス・ヴィッシング監督が指揮を執るガンバ大阪で、在籍3年目のウェルトンがピッチに帰ってきた。昨年10月に左膝内側半月板を損傷し、今季の開幕直前にも負傷していたウェルトン。度重なるケガを乗り越え、「自分もそのサッカーに馴染んでいかなければいけない」との言葉通りに、新監督のサッカーへの適応を目指している。(取材・文:高村美砂)[1/2ページ]
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自身の復帰を喜ぶウェルトン

ガンバ大阪FWウェルトン
ガンバ大阪FWウェルトン【写真:Getty Images】

 開幕直前に負ったケガを乗り越え、ウェルトンが今シーズン初めてメンバー入りを果たしたのが3月3日のAFCチャンピオンズリーグ2 2025/26ノックアウトステージ・準々決勝第1戦・ラーチャブリーFC戦だ。出番こそなかったものの試合後は、ホームでの勝利を、自身もピッチに戻ってこれた事実を喜び、笑顔を見せた。

「残念ながら今シーズンのスタートは出遅れてしまった中で、まずはこの公式戦を戦うグループに入っていくことが大事だと思っていました。そういう意味では今日、出番こそなかったものの試合のリストに入ることができて素直に嬉しいです。このまま継続して『グループ』に入りながら、次はピッチに立てるようにまた準備を続けようと思います」

 その言葉はすぐに現実となり、続く3月8日のJ1百年構想リーグ第5節・V・ファーレン長崎戦で今シーズン初めて公式戦出場を実現すると、アウェイの地に乗り込んで戦ったACL2・準々決勝第2戦・ラーチャブリーFC戦では1-1の状況下、68分から再びピッチへ。延長戦にもつれ込んだ激戦を勝利に繋げるべく、右足で今シーズン初ゴールを叩き込んだ。


「得点は僕が決めましたが、監督からの信頼、チームメイトの信頼、チーム全員の力がなければ成し遂げられなかったこと。常々、自分もチームやチームメイトのためにできる限りのサポートをしたいという思いでプレーしている中で、今日はみんなが僕に力を貸してくれて、自分にとっても必要だったゴールが生まれた。チームのために仕事ができて嬉しい。みんなで奪ったゴールだと思っていますし、みんなと勝利を喜びあえて嬉しいです。

 戦列に復帰して、特に長崎戦では僕自身にも何度かチャンスがあった中で決め切れず、少し気負いというか、ナーバスになっていた自分もいました。その中で今日はこうしてしっかりと決められて自信を掴むゴールになりました」

準備してきたことが形に「ゴールは自分に与えられたタスクの1つ」

延長戦でゴールを決めたウェルトン
ガンバ大阪FWウェルトン【写真:Getty Images】

 ゴールシーンはペナルティエリア近くで美藤倫が粘って縦パスに繋げ、名和田我空を経由して左のウェルトンに届けられたボールをファーサイドに流し込んだもの。その過程に触れた上で狙いを尋ねると、茶目っ気たっぷりに「もう1つ前、倫へのパスは僕からだったよ」と笑った。

「倫(美藤)が粘ってくれていた時に、自分のところにボールが来たらどんなふうにゴールまで持っていこうか想像していました。ある程度はそのイメージ通り、狙っていたコースに決めることができた。『ゴール』は自分に与えられたタスクの1つで、それを決めるための準備を日々のトレーニングで継続してきたことが、ようやく1つ目に繋がった。これが続いていけばいいなと思っています」

 24年2月にガンバに加入し、日本でのプレーも今年で3シーズン目に突入したウェルトンだが、今シーズンは初めて、ブラジル人選手が1人しかいない状況で開幕を迎えた。


 もちろん、3シーズン目ともなればチームにはすっかり溶け込んでいるし、日頃から誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを図ってきた彼のこと。その事実がサッカーに支障をきたすことはなかったが、プライベートの時間を含めて密にコミュニケーションを図れる仲間が減った心細さは少なからず感じていたことだろう。

「もちろん、ブラジル国籍の選手が一人になってしまったなぁという思いはありましたが、サッカーをする上でそれを言い訳にするつもりはありません。もちろん、ブラジル人選手がいれば言葉を深く交わせますし、実際に助けられたこともたくさんあります。

 でも僕自身は加入してからずっと誰とでも分け隔てなく、仲良くできたらなと思って進んできたし、みんなもそんな僕を受け入れてくれて、今では誰とでもいいコミュニケーションが図れます。なので、ブラジル人が一人でも寂しくはありません。ガンバというファミリーの中で仕事ができることを幸せに感じています」

「監督が理想とするプレーにもっと近づけなければ」

ACL2 ガンバ大阪
ガンバ大阪【写真:Getty Images】

 その言葉通り、ウェルトンは始動日から明るい表情を見せてきた。開幕を直前に控えてケガで再離脱になってしまったのは誤算だったが、その時間を除けば三浦弦太や中谷進之介、南野遥海ら日本人選手をはじめ、イッサム・ジェバリやデニス・ヒュメットとも冗談を言い合う姿もよく目にとまった。むしろ、例年以上に、だ。

 それが意識してのことなのかは定かでないが、少なからず彼が「ガンバのために力になりたい」という言葉を繰り返しながら、その戦いを続けていたのは明らかで、だからこそ、ラーチャブリーFC戦後にも「チームのために仕事ができて嬉しい」という言葉が聞かれたのだろう。

 しかも、「これが続いていけばいい」との願い通り、ウェルトンは3月21日の明治安田J1百年構想リーグ第8節・アビスパ福岡戦でも、今シーズンのリーグ戦初ゴールを決める。ピッチに立つためには必要だと話し、自身に課していたウイングのタスクを意識しながら、だ。


「イェンス(ヴィッシング監督)のサッカーにおいてウイングにかかるタスクはすごく大きく、攻守においてすごく強度の高いプレーを求められます。正直、僕自身はその守備のところが少し苦手にしていますが、ガンバが、チームのみんながそれをやろうとしているのなら、自分もそのサッカーに馴染んでいかなければいけない。裏を返せばそれをやれないとメンバーには食い込めない。

 だからこそ、まずはそこへの意識を高めて監督が理想とするプレーにもっと近づけなければいけないと考えていますし、そうしたチームとしての戦いをより前に進められるような仕事をしたいと思っています」

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