今季からイェンス・ヴィッシング監督が指揮を執るガンバ大阪で、在籍3年目のウェルトンがピッチに帰ってきた。昨年10月に左膝内側半月板を損傷し、今季の開幕直前にも負傷していたウェルトン。度重なるケガを乗り越え、「自分もそのサッカーに馴染んでいかなければいけない」との言葉通りに、新監督のサッカーへの適応を目指している。(取材・文:高村美砂)[2/2ページ]
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ウェルトンは勝負強い!? じゃんけんは「勝つ自信がある」
そんなウェルトンの素顔が伺えるエピソードを1つ。彼がシーズン初ゴールを決めたラーチャブリー戦後の夕食後のこと。日本に帰る飛行機のビジネス席を巡って『じゃんけん大会』が繰り広げられた。往路は全選手がビジネスクラスで移動できたが、復路は席数が足りず、確保分は年長者から順に座り、それ以外はエコノミークラスで帰国の途につくことが決まっていた。
だが、前夜になってビジネスクラスに1つ空きが出たことがわかり、それを巡ってメンバー入りをしていた97年組、安部柊斗、山下諒也、岸本武流、初瀬亮、そしてウェルトンの5人で『ビジネス・じゃんけん』が繰り広げられた。
知っての通り、この試合の3日後には再びアウェイの地に乗り込んで、J1百年構想リーグ第7節・サンフレッチェ広島戦を戦うという超強行スケジュールの最中だ。しかも、宿泊ホテルからバスで3時間も揺られた後の飛行機ということもあり、少しでも体の負担を小さくしたいと思うのは当然だった。
「ポルトガル語でじゃんけんは、『テゾラ、パペウ、ぺドラ』。直訳するとハサミ、紙、石の意味です。リズムは日本語の『じゃんけんぽん』とほぼ同じですが、実は子供の頃から僕はそのじゃんけんがすごく得意だったというか、強いんです。ブラジルでは『インパ』というみんなで指を出し合って、偶数、奇数を当てるゲームもあるんですけど、それも強い(笑)。なので、自信はありました」
その言葉通り、自信満々で臨んだ『ビジネス・じゃんけん』は、最初に安部、山下、岸本が脱落。最後は初瀬とウェルトンの一騎打ちになる。
「勝つと思っていたよ」
そう話す、ウェルトンの勝負の一手は「グー」。そうして彼は復路のビジネスクラスを勝ち取った。
「じゃんけんにはいつも自信を持って臨みます。そして僕が勝ちます(笑)。もう一度、ああいったシーンに直面してもきっとまた勝つ自信がある。勝負強いんだ、覚えておいて」
覚えておく。そして、その勝負強さがこの先のピッチでも再び、強く輝くことを願っている。
(取材・文:高村美砂)
著者プロフィール:高村美砂
雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。
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