サッカー日本代表の中村敬斗【写真:Getty Images】
31日、聖地ウェンブリー・スタジアムでイングランド代表と対戦するサッカー日本代表。フランス2部でプレーする立場にありながら、日本代表の前線で重要な役割を担う中村敬斗にとって、この一戦は特別な意味を持つ。強豪撃破を狙うチームにとっての試金石であると同時に、自身の価値を証明する舞台でもあるからだ。逆境の中で迎える一戦が、その現在地と未来を大きく左右する。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「こういう時期に代表があって…」

サッカー日本代表の中村敬斗【写真:元川悦子】
「2部で呼ばれ続けているのは、森保さんの期待の表れ? まあそうですね。誰も好きで2部でやってるわけじゃないし、チーム状況だったり、個人の契約の中で残ることになった。その中でも学べることはあるし、前向きにはやれているとは思います。
ただ、やっぱり代表に来ると急に基準が上がるのは確か。こういう時期に代表があって、コンディションやモチベーションが上がるのは、本当によかったです」と中村敬斗は指揮官や代表のチームメートへの感謝を口にした。何とか自分を奮い立たせ、全力でW杯に向かっていこうとしているのだ。
「W杯に選ばれることが大前提として、そこに向けて個人としてアピールすることが必要ですね。今回はイングランドのようなW杯出場国に自分が通用するのかを試せるいい機会になると思います。
これまで代表には3年以上選んでもらっていますけど、僕はまだまだチャレンジャー。地に足を着けて常にひたむきに頑張っていくことが大事だと思います」と彼は強調。持てる力の全てを出し切って、フランス2部からでも大舞台に立てることを実証する覚悟だ。
そのために、イングランド代表戦でまずやらなければならないのが守備だろう。
イングランドにはボールを保持される時間が長くなると見られるだけに、連動した守りからいい位置でのボール奪取につなげていかなければいけない。
球際や寄せの激しさ、攻守の切り替えの速さを高いレベルで示していくのはある意味、最低ノルマと言っていい。
そのうえで、三笘と連係しながら左サイドを効果的に攻略していくことが重要だ。
「一緒に出られればすごくやりやすい」
サッカー日本代表の三笘薫【写真:田中伸弥】
「三笘選手とは試合中に話しながら、入れ替わりながら、お互いやりやすいようにやってます。僕らの併用を疑う人がいないかどうかは分からないけど、この前のスコットランド戦みたいに一緒に出られればすごくやりやすい。活かし活かされという関係性を作れているので、いろんなアイディアを試合の中で出していきたいと思っています」
中村敬斗が前向きに話すように、三笘との強力な左サイドを形成し、対面に陣取るであろうベン・ホワイトをはがして、決定的チャンスを何本も作れれば理想的。そのうえで、マーク・グエーイらが陣取る中央も崩して、ゴールという結果をもぎ取れれば、W杯行きはもちろんのこと、大舞台でスタメンをつかみ取ることも現実になるのではないか。
幸いにして、中村敬斗は昨季フランスカップ決勝という大舞台に立っている。5月のパリ・サンジェルマンとのファイナルは0−3で完敗を喫したものの、ウェンブリーに近い収容8万人規模を誇るスタッド・ド・フランスのピッチに立ち、緊張感の漂うゲームを戦った。その経験も今回の大一番に活かしたいところだ。
「W杯へのアピールの部分もありますし、チームとしてどう戦うかという部分もあるので、うまくバランスを見ながら、勝利に貢献していけるようにやります」
気合を入れた背番号「13」が人々を驚かせる大仕事をして、「フランス2部所属」というレッテルを払拭してくれることを祈りつつ、イングランド代表戦を見守りたいものである。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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