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横浜F・マリノスの「新しいチャレンジ」が向かう先とは。黒星先行の前半戦も「少しずつ形になってきた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images,Editor
横浜F・マリノス 写真撮影

柏レイソル戦に臨んだ横浜F・マリノスのイレブン【写真:Getty Images】



 横浜F・マリノスは4月5日、明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第9節で柏レイソルと対戦し、3-0で敗れた。前半戦を終えて3勝6敗と黒星が先行。10チーム中9位で後半戦へ向かうことになったが、指揮官と選手たちはいま何を思い、今後の戦いに繋げていくのか。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]

大島秀夫監督がシーズン前に語っていたことに対する現状とは

横浜F・マリノス 大島秀夫監督

シーズン前、本サイトのインタビューに答える大島秀夫監督【写真:編集部】

 
 キーワードは“チャレンジ”だろうか。思えば、シーズン開幕前に大島秀夫監督はこんなことを話していた。

「今チャレンジしていることが結構、難易度が高いというか。簡単ではないと思っていることをやっている」
 
 昨シーズンの戦い方を基本とし、速く、スピーディーに自陣よりも相手陣地でボールを保持し、攻守にわたってアグレッシブにゴールを目指すというものだ。

 それには、ボールを奪われた際に即時奪還を徹底する必要があるし、ハイプレス・ミドルブロックを機能させ、走り負けない運動量が必要だ。

 もちろん、ハイプレスで行くときと、ミドルブロックで構えるときと、90分間通したときには配分が必要だが、走り負けなければ、主導権を相手に渡すことはないだろう。



 加えて、大島監督は「メインはその先の26-27シーズンだと思っています。この半年でどれだけそこに向かってチーム力をつけるかというのが1番大事だと思うし、そのときにできるチャレンジ、そのときにしかできないものもあると思います」と語っている。

 明治安田J1百年構想リーグは前半戦の9試合を終えた。横浜F・マリノスは3勝6敗と黒星が先行しているが、指揮官はここまでの戦いをこのように振り返る。

「去年の後半から今年になって、新しいチャレンジを取り入れようとスタートして、出だしは3連敗スタートでしたけど、出てきた課題と修正を繰り返して、少しずつ形になってきたと感じています。

 と同時に、もっと勝ち星を重ねていくにはより精度(を高めないといけない)。例えば、きょう(のような1人少ない10人)の状況でも、ラスト10分のところでしっかり守り切るチーム力やたくましさを全員でつけていって、後半戦は勝ち星を先行できるようにやっていきたいと思います」

「やることは気持ちだけ」中断期間でチャレンジしていたことは早々に崩れたが…

横浜F・マリノス レッドカードをもらうジェイソン・キニョーネスとその判定に異議を唱える山根陸

前半12分、レッドカードをもらうジェイソン・キニョーネスとその判定に異議を唱える山根陸【写真:Getty Images】

 前半戦最後の柏レイソルとのゲームは、中断期間でチャレンジしていたことを試みようとした。

 本来やりたかった“より自分たちが前進するためのパスの出し入れや相手の守備組織をハンドリングするためのパス交換といったボール保持”へのチャレンジだ。

 だが、前半12分にジェイソン・キニョーネスが退場となってしまい、そのプレーで与えたフリーキックから、ディーン・デイビッドのハンドがとられ、PKを献上。

 1人少ない数的不利の状況で前半を1点で抑えるが、後半には木村凌也がアクシデントで交代を余儀なくされる。直後に相手のシュートが井上太聖の体に当たり、不運な形で失点を許した。

 早々に崩れたプランを修正することは簡単ではなかった。スコアを見れば3-0の完敗だが、数的不利の状況でも全員がその場に応じた適切なプレーに努めた。

 中盤の底でフル出場した山根陸は試合をこう振り返る。



「10人になってから1失点で抑えながら、どこかでチャンスが来るのを待っていた。退場してから75分、80分弱まではプラン通りだった。

(2失点目は)アンラッキーな感じで失点してしまったけど、仕方ないので、やることは気持ちだけ。最後まで戦うところは示せた」と決して投げやりになることなく、やるべきことをしっかりと遂行した。

「とにかく耐える。ポケットに走ってくる選手を誰が見るのか、どこまでスライドするのか、センターバック(CB)の受け渡しと自分たちが背中で見るのか、そういう細かいところは常に声を掛けながらやっていました。

 あとは行くとき、人数が少ないので難しかったですけど、なかなか行ける場面も作れなかったですけど、行くときは追い込みながら前で奪えるシーンも多かったかなと思います」

 この日のF・マリノスがチャレンジしたのは「ロングボールに頼らないビルドアップ」だろうか。

退場者、PK献上、アクシデントによるGK交代…想定外でもトライできたこと

横浜F・マリノス 角田涼太朗

柏レイソルの細谷真大と競り合う角田涼太朗【写真:Getty Images】

 
 
 昨季終盤の手堅い戦い方で勝ち点を奪うという算段も少なからずあったはずだが、なかなか上手くいかないというのも現状としてあった。

 木村凌也がCBの間に上がり、角田涼太朗と井上の両CBが開くことにより、サイドバックを押し上げ、ボランチの山根と攻撃を組み立てる場面もあった。

 退場者が出て、思っていた展開ではなかったが、中断期間に取り組んでいた自陣で相手を引きつけるパス交換や保持のためではない、自分たちが優位に前進するための保持ができていた部分もある。



 CBでフル出場し、攻守で奮闘した角田は1人少ない状況になってからの戦いについて、「きょうは少し割り切った戦い方を選択したので、最後の質やセカンドボールを拾うところはもう少しかなと思います」と振り返ったが、チームとしての方向性に手応えを感じてもいる。

「きょうはたまたまジェイソンがミスをして、退場してしまいましたけど、いつもチームのために戦ってくれている選手です。不運なところでPKを取られたところもあった。チーム1人1人の自覚という面では、遅いですけど、少しずつチームとしてまとまってきているのかなと感じます」

 だが、後半戦への巻き返しを問われると、現状をしっかりと冷静に見つめる言葉が返ってきた。

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