「1つ1つのプレーを無駄にしたくない」。その思いが、美藤倫のプレーの根底にある。日々のトレーニングから準備を積み重ねてきた美藤は、京都サンガF.C.戦のピッチで自らの強みを表現していた。(取材・文:高村美砂)[2/2ページ]
より『怖い選手』に近づくために
「今日はセカンドボールへの対応がポイントだったと思いますが、そこを拾えたことでチームとしても優位に試合を運ぶことができた。すごくいい入りもできたし、勢いのある相手に対して、自分たちもその勢いで押し返せたのも良かった。
今シーズンは失点が多い試合が続いていて、今日も時間帯によっては攻め込まれることもあったとはいえ、全員でしっかり守れたというか。亮太郎くん(食野)の追加点に助けられ、また、後半途中から入ってきた遥海(南野)や秋くん(倉田)、徳真くん(鈴木)や翔自(唐山)らがすごく前からプレスに行ったり、奪った後もファウルをもらってくれたりして押し返せたのも良かった。
今日のように自分たちのやるべきことが表現できれば、ガンバは誰が出てもすごく強いチームだと思うので。僕も今日は出れたけど、次は出られるかわからないので、練習からまたしっかりアピールしようと思います。大事なのは『いい試合ができて良かった』で終わらずに、それを継続することなので、それを自分にもしっかり求めていきます」
その中では前半アディショナルタイムにはヘディングで、53分にはペナルティエリアに侵入して左足でシュートを放つ場面も。いずれも彼らしい「前へ」の姿勢が生んだシーンだったが、ゴールネットは揺らせなかった。
「ヘディングこそ、本当に気持ち。トラップしても難しいなと思ったので、ヘディングで合わせてみたら惜しかったという感じでした」
言うまでもなく、彼のプレーに『得点』が加わるようになれば、より『怖い選手』になれるはずで、「チャンスがあれば狙っています」と本人。今シーズン、ボランチのポジションを争う安部柊斗、鈴木徳真も未だ得点は挙げていないことを思えば、それがポジション争いで一歩前に出る一手になる可能性もあるだろう。その時を、虎視眈々と狙いながら、美藤の『ひたむき』な戦いは続く。
(取材・文:高村美砂)
著者プロフィール:高村美砂
雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。
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