
スーパーミドルを決めたジェフ千葉の安井拓也【写真:Getty Images】
目の覚めるような一発だった。しかし安井拓也は、そのゴールに満足していない。ジェフユナイテッド千葉を救う同点弾を決めながらも、“存在証明にはならない”と語った理由とは何か。現場取材からその胸中に迫る。(取材・文:石田達也)
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「自分自身の存在証明にはならない」

PK戦の末に敗れるジェフユナイテッド千葉【写真:Getty Images】
「去年と違うのは(結果を)人任せにしないこと。得点の場面で前を向いた瞬間にパスを出すこともできたと思うんですけど、結果を出すにはシュートしかない」
例え強引であっても自らが足を振っていくプレーは、これまでと比較にならないほどの強い意志があり、それがピッチで形になっている。
ただ試合は90分間で決着がつかず1-1のままPK戦(2-3)に突入。千葉は勝利を掴み取ることはできず18年ぶりのJ1での連勝を逃した。
安井は努めて冷静に、だが、胸に渦巻く熱い感情は隠しきれない様子でもあった。
「個人として勝ちを持ってこれなかったっていうのは、まだまだ自分にとっては実力不足だと思いますし、もっともっと貪欲に行きたいなと思います」と覚悟を示し、モチベーションを高く保つ構えだ。
さらに「これが単発で終わるのではなく、継続して結果を出していかないと自分自身の存在証明にはならないので、次も狙っていきたいと思います」と続け、今後の飛躍も誓う。
百年構想リーグも折り返しを迎え、雪辱の後半戦となった矢先で躓いてしまったがJ1の戦いに慣れ、十分に戦えているという自信を選手たちはもっている。
だからこそ戦い方を安定させ、90分間で勝ち切り結果を出す、次のステップを踏んでいかなければいけない。
「この世界は正直、全部結果だと思いますし、個人が輝くにもチームの結果があってこそ。自分自身は結果を持ってこれる一人になれるように、毎日やるだけです。勝ち点3につながるように、全部の流れを変えられるぐらいの実力をつけたいと思います」
ここからアウェイでの2連戦が控えるなか、貪欲に結果を求める混じり気のない熱さはチームに伝播するものだ。
敗戦の中で放ったひと振りが、今シーズンに懸ける安井の存在感を静かに示した。
(取材・文:石田達也)
【著者プロフィール:石田達也】
千葉県出身。浦和や千葉を中心にJリーグやアマチュアスポーツまで幅広く取材。サッカー専門誌、地域情報誌などにも多数寄稿。「職業サッカークラブ社長」(ベースボール・マガジン社)などの書籍編集を担当。「浦和ACL戦紀」(ELGOLAZO BOOKS)共著がある。
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