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「すべてをかけてやっている」成宮唯がWEリーグMVP初受賞で明かした思い。INAC神戸4季ぶり優勝の分岐点「実行できて良かった」

text by 竹中愛美 photo by Editor
WEリーグアウォーズで初のMVPに輝きスピーチするINAC神戸レオネッサの成宮唯

初のMVPに輝いたINAC神戸レオネッサの成宮唯【写真:編集部】



 日本女子プロサッカーリーグの年間表彰式「2025/26 WEリーグアウォーズ」が5月26日、東京の国立競技場で開催された。INAC神戸レオネッサの4季ぶり2度目の優勝に大きく貢献したMF成宮唯が初の最優秀選手賞(MVP)を受賞。「みんなに感謝したいですし、より一層高みを目指して、私自身もチームもよりステップアップしていけるように頑張っていきたい」と喜びを語った。

「『今年こそは、今年こそは』と言い続けてきた」

 WEリーグ初年度を制して以降、3季連続で2位に終わっていたINAC神戸レオネッサ。積み重ねてきた悔しさを、今季ついに歓喜へと変えた。

 成宮唯は表彰式の壇上で「昨シーズン、ここに来たときに毎年『今年こそは、今年こそは』と言い続けてきたので、本当に強い覚悟を持って、今シーズンに挑んだ結果がこうやって圧倒的に優勝できて、すごくほっとしています」と思いをあふれさせた。

 その言葉通り、今季の成宮は圧巻だった。リーグ戦全22試合にフル出場し、自己最多となる8ゴールをマーク。

 さらに、8アシストでリーグトップに立ち、攻撃の中心としてチームを牽引した。最優秀ディフェンス賞にも選出され、文句なしのMVP受賞となった。

 今季のINAC神戸は、宮本ともみ監督のもとで攻撃的なスタイルを確立。

 成宮も「本当にみんなが躍動するサッカーを1年通してできたことが1番のINACの強みだった」と語る。
 
 また、「今年は勝負強くなった」と話したように、優勝争いのライバルだった三菱重工浦和レッズレディースと日テレ・東京ヴェルディベレーザとの直接対決で結果を残したことも大きかった。

 特に、11月8日の第13節、浦和駒場スタジアムでの浦和との首位攻防戦は「ロスタイムで、引き分けではなく勝ち切れたことがターニングポイントだった」と振り返る。

「優勝争いをする上で、ベレーザと浦和から勝ち点を取らないと優勝できないのはわかっていたので、その2チーム相手に勝ち切れたところに今年の勝負強さをすごく感じた」

 成宮は浦和とベレーザ戦の4試合すべてでゴールをマークし、自身の勝負強さも光った。

「今年はここぞという得点が必要なときに、自分が得点でチームを勝たせる試合もありました。宮本監督からも『唯が決めて来い』というのを浦和戦やベレーザ戦では言われていたので、実行できて良かったなと思います」

 今季は、なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)として、3月のAFC女子アジアカップでの活動も含め、フル稼働のシーズンだった。

「31歳なので、やっぱり筋肉痛は2日後にしっかり来ます」と笑いを誘いながらも、「本当に私はサッカーが好きで、すべてをかけてやっているので、少しでも不安があればオフでもケアに行ったり、いろんなことを試した」と徹底したコンディション管理を明かした。

 一方で、なでしこジャパンでは、AFC女子アジアカップで優勝を経験したが、目立った活躍を残せず、5月に就任した狩野倫久監督率いるなでしこジャパンの最新メンバーからは外れた。それでも、成宮の視線は先を向いている。

「ワールドカップに行くことは私の夢でもあるので、目標を忘れずに、逆算して来シーズン、良いパフォーマンスが出せるように、また良いオフを過ごして、オフ明けから取り組みたいです」

 来季はWEリーグ連覇に加え、AFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)も控える。WEリーグカップ、皇后杯も含めて「4冠」という新たな目標もできた。

「来シーズンはアジアのAWCLの戦いもありますし、今シーズン、(サンフレッチェ)広島(レジーナ)を相手に苦手意識を払拭できないままシーズンが終わってしまったので、どんな相手にも勝ち切る力をチーム全体でつけたいので、そこに対してのステップアップはしたいです」

 “圧倒的なINAC”を象徴したMVPは、さらなる高みを見据えている。

(取材・文:竹中愛美)

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