ガンバ大阪がAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)を制覇した。選手、監督はもちろんのこと、スタッフ陣の貢献も、クラブがアジアの頂点を取る上で欠かせなかった。そこで本稿では、ピッチ外でガンバを支える“仕事人”たちにフォーカス。現地サウジアラビアで取材した高村美砂氏が、その奮闘を綴る。第3回はマネージャーの橋本篤、山下純司について。(取材・文:高村美砂)[2/2ページ]
「『優勝したいなら…』」ある男の言葉が意識を変えた
今シーズンの序盤、スペシャルアドバイザートゥザヘッドコーチとして1ヶ月強の時間を共にしたヨルン・エリック・ヴォルフ氏に投げ掛けられた言葉がきっかけだった。
「今シーズンの序盤、ヨルンに『こういうことができないか?』と提案されたことがあったんです。それに対して『今まではこうだったから難しいかも』みたいに伝えたら『優勝したいなら過去にすがらず、クラブ、チームとしても新しいことにチャレンジしていくべきじゃないか』と言われたんです。
それを聞いて、僕自身も過去がこうだった、ああだった、というのはやめようと。もちろん、何かを変えるのはパワーもいるし、予算も考慮しなきゃいけないので簡単ではないですけど、ヨルンの言葉を聞いて、それは言い訳だったな、と。だからこそ、イェンス(ヴィッシング監督)を含めて現場からの『こうしたい』という要望には、僕らもできる限り手を尽くして寄り添えるようにしようと思うようになった。
かといって全部が全部、要望通りにはいかないですけど、今は過去を基準にせず、新しいことをやってみようと努力するのは進化を求める上では大事なことだと思って仕事にあたっています」(橋本)
そんなふうに、3人のマネージャーもまたハードな連戦を厭わず、常に『チャレンジ』を忘れずに、たどり着いた『タイトル』。試合前はもちろん、試合が始まってからも多くの時間をロッカールーム内での作業に追われていた二人は、ほとんど試合を見ることはできなかったと聞くが、試合後は揃ってピッチに飛び出し満面の笑みで集合写真に加わった。
2016〜20年はガンバU-23のマネージャーも務めた山下が「U-23でプレーしていた亮太郎(食野)や翔自(唐山)、仁郎(中村)と、こういう舞台で一緒に喜べたのも励みになりました」と声を弾ませたのもエモーショナルな瞬間だった。
(取材・文:高村美砂)
【著者プロフィール:高村美砂】
雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。
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