
オーストリア代表に勝利したアルゼンチン代表【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループJ第2節・アルゼンチン代表vsオーストリア代表が現地時間22日に行われ、アルゼンチン代表が2-0で勝利した。リオネル・メッシの2ゴールで前回王者はグループステージ2連勝。ラルフ・ラングニック監督率いるオーストリア代表のハイプレスを攻略した優勝候補・アルゼンチン代表の強さの秘密に迫る。(文:安洋一郎)※データは『Opta Analyst』を参照[2/2ページ]
タックル数は48チームで1位

アルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネス【写真:Getty Images】
9分にメッシがPKを失敗したこともあり、その後の数分間はオーストリア代表にボールを握られる展開となったが、失点の気配を感じる場面はほとんどなかった。
アルゼンチン代表は開幕2試合で1本の枠内シュートしか受けておらず、それもオーストリア戦のMFマルセル・ザビッツァーがフリーキックから放った1本のみ。オープンプレーからは一度も枠内シュートを許していない。
被シュートのxG(ゴール期待値)で最も高かったのも、オーストリア戦の23分に見られたMFパウル・ヴァナーの当たり損ないのヘディングシュートの「0.137」。アルジェリア戦ではキックオフ直後にオフサイドでネットを揺らされた場面もあったが、それ以外は決定的なチャンスを一度も作られていない。
この堅守の理由の1つが、ネガティブトランジション時の切り替えの速さだ。
最前線のメッシは最低限の守備しかしないが、代わりに2トップの相方に入るラウタロ・マルティネスが前線から精力的にプレスをかけている。
2試合で4つのタックルと4つのファウルを記録しており、彼が前線で広範囲をカバーすることで、ファーストディフェンスが機能。彼が疲れたら同じく守備意識の高いフリアン・アルバレスを投入しており、前線からの守備強度の高さを最後まで維持している。
その上で、中盤の選手たちも相手の保持に対して容赦なくプレッシャーをかけてボールを奪っている。2試合を終えた時点でのタックル数48回は全チームで最多。ファウル覚悟でも相手の速攻を止めるため、自陣にスペースが生まれるカウンターを受ける前に対応している。
その結果、2試合合わせても、相手のファストブレイクからは一度もシュートを打たれていない。
アルゼンチン代表に弱点はないのか

アルゼンチン代表FWリオネル・メッシとラウタロ・マルティネス【写真:Getty Images】
攻守両面で抜かりないパフォーマンスを披露しているアルゼンチン代表。2試合でメッシしか得点者がいないことからメッシ依存が懸念されるが、チャンスクリエイトは組織的に行われており、得点者がメッシに偏っていることだけで攻撃を評価するのは早計だろう。
むしろ、彼に左足を振らせるまでの段階での組織づくりがしっかりと組まれており、現代サッカーに欠かせない切り替えのスピードも素晴らしい。
現状では弱点らしい弱点は見当たらないが、強いて挙げるなら、スタメン平均身長178cmというサイズ面の不安と、サイドで局面を打開できる純粋なウインガーが少ない点だろうか。
ただ、これらを不安に感じさせないほどメッシのパフォーマンスは全盛期と比べても遜色なく、その左足はいまだ勝敗を左右する絶対的な武器となっている。
何より熱狂的なアルゼンチン人サポーターと、神格化されるメッシの存在で、スタジアムは常にアルゼンチンのホームのような雰囲気が漂う。その空気すらも味方につけるかのように、アルゼンチン代表はピッチ上で一切の隙を見せず、試合を自らのリズムへと引き込んでいく。
この圧倒的な一体感が続く限り、王者アルゼンチンの歩みは誰にも止められそうにない。今大会も優勝候補の本命だろう。
【著者プロフィール:安洋一郎】
1998年生まれ、東京都出身。高校2年生の頃から『MILKサッカーアカデミー』の佐藤祐一が運営する『株式会社Lifepicture』で、サッカーのデータ分析や記事制作に従事。大学卒業と同時に独立してフリーランスのライターとして活動する。現在は『フットボールチャンネル』をはじめ複数のwebメディアや欧州名鑑などに寄稿。12歳からアストン・ヴィラを応援し、プレミアリーグを中心に海外サッカー全般を追っている。Xアカウント:@yoichiro_yasu
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【決勝トーナメント表】FIFAワールドカップ2026 組み合わせ一覧
【全試合日程・放送予定の一覧】FIFAワールドカップ2026
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