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W杯の48ヵ国開催を続けるべきか。やはり出場国が多すぎる? 拡大で見えた限界と弊害【北中米W杯コラム】

シリーズ:北中米W杯コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)
史上初めて48ヵ国で開催されたFIFAワールドカップ北中米大会【写真:Getty Images】



 約1ヵ月にわたり開催されたFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)がスペイン代表の優勝で幕を下ろした。出場国枠が「48」に増え行われた最初の大会。結果として成功だったのか。大会を振り返る中で見えてきた収穫や課題、今後への懸念点をまとめる。(文:小澤祐作)[2/2ページ]

結論、48ヵ国開催は…

ジャンニ・インファンティーノ会長
FIFAは今後、64ヵ国でのW杯開催を検討しているという【写真:Getty Images】



 W杯の48ヵ国開催は、悪いことばかりではなかった。しかし、やはりチームが多すぎるという印象は拭えない。試合数の増加に伴う選手への負担やグループリーグにおけるゲームのクオリティー不足などは先述した通りだが、視聴者の観点からしても、大会期間が長いゆえに「視聴疲れ」はどうしても避けられず、格下同士の戦いはハッキリ言って“視聴価値”がなかった。決勝トーナメントからしっかりと見始めた人も多かったのではないだろうか。

 そうした理由から、やはり32ヵ国の開催がベストだったのではと感じざるを得ない。今のままではW杯本来の価値というものが落ちてしまうのではないか。

 しかし、サッカーは今や巨大なビジネスへと進化した。FIFAがよりお金を儲けたいと考えているのは明らかで、今後、出場国枠が増えることはあっても、減ることはおそらくないだろう。事実、FIFAは今回のW杯で150億ドル(約2兆4300億円)の収益を出す見込みだと報じられており、大成功を収めている(英紙『ガーディアンより』)。

 そうした背景もあってか、FIFAは今後、出場国枠を48から64へ増やすことを検討しているという報道もある。もはや、この流れは止められないかもしれない。

 64ヵ国開催になった場合、4チーム×16グループに分けられ、各組の上位2ヵ国、計32チームが決勝トーナメントに進むというレギュレーションが想定される。48ヵ国開催よりわかりやすい形になることは間違いない。

 しかし、本当にそれが世界最高のW杯という大会に相応しいのだろうか。もはや各大陸の予選は、強豪国からすると無意味なものになるだろう。アジア枠は12枠になるとも言われており、もはや敵なしの日本代表は楽々と勝ち上がることができるはずだ。苦労せず勝ち取るW杯になんの意味があるのか。

 10チームで構成される南米予選はすでに半分以上の6チームが自動出場権を獲得できるレギュレーションであり、7位のチームには大陸間プレーオフ出場権が与えられている。これが64ヵ国に増えた場合、同予選から脱落するのは1チームほどになるのではないだろうか。

「すべての国がW杯出場を夢見る機会を持つべきだ」とはFIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏の言葉だ。もちろん、そうでなければならないが、それをFIFA側が提供するのはいかがなものか。厳しい予選を勝ち抜くだけの力をつけ、出場権を掴み取ってこそ本当の価値があるのではないか。

 何よりサッカーは選手がいなければ成り立たない。FIFAが大会規模の拡大や商業的利益を優先する一方、選手保護策が十分だったとは言い難い。このまま試合数の増加が続けば、多くの選手が限界を迎えかねない。

 48ヵ国開催が限界だ。もしFIFAが64ヵ国開催を決めた場合、それはもはや、我々が長年見てきた価値あるW杯ではなくなるだろう。

(文:小澤祐作)

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