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コラム 6時間前

口頭合意はなぜ覆ったのか? イタリア代表の新星、インテル移籍破談の真相【コラム】

イタリア代表DFマルコ・パレストラ
イタリア代表としてプレーするマルコ・パレストラ【写真:Getty Images】



 イタリア代表DFマルコ・パレストラ移籍の裏側では、インテルのベッペ・マロッタ会長と選手側代理人ルッチとの間で激しい応酬が起きた。マロッタは口頭合意の一方的な撤回だと非難したが、アレッサンドロ・ルッチは45日間交渉を続けたにもかかわらず正式合意には至らなかったと反論。若き才能を巡る大人たちの言い分は、真っ向から食い違っている。(文:佐藤徳和)[2/3ページ]

口頭合意破談の裏側は…

マロッタ インテル
インテルのベッペ・マロッタ会長【写真:Getty Images】


 もはや、インテルへの移籍は確実かと思われた。しかし、交渉がまとまりかけていたと見られた矢先、突如、“対抗馬”が現れる。プレミアリーグの強豪、チェルシーFCである。

 提示した額は6000万ユーロ(約108億円)。さらに、600万ユーロ(約10.8億円)もの年俸をオファーしたという。

 これは、セリエAでもトップクラスの報酬だ。インテルのトルコ代表MFハカン・チャルハノールやナポリのベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネの年俸に匹敵する額である。対して、インテルが提示した年俸は、250万ユーロ(約4.5億円)であった。

 かくして、インテルはパレストラの移籍交渉から撤退。パレストラは、シャビ・アロンソが率いるチェルシーFCを新たな挑戦の場に選んだ。

 パレストラのチェルシーFC移籍決定後まもなく、インテルのベッペ・マロッタ会長が、クラブの会見の場でパレストラ移籍交渉の舞台裏を明かした。

「パレストラの件は、彼自身が考えを変えたことによるもの。彼は正当に、6月に交わしていた口頭での約束を撤回した。彼の代理人は、おそらくもう少し大きな役割を果たし、選手が進むべき道を示すこともできたはずだ。

 しかし、パレストラはチェルシーでプレーする道を選んだ。したがって、我々は、この結末を受け入れざるを得ず、パレストラは我々インテルよりも競争力で上回るリーグへ行くことになった」

 マロッタは、パレストラ側と口頭で合意に達し、それが反故にされたと訴えた。

インテル会長の発言に「深い失望」

イタリア代表DFマルコ・パレストラ
早速チェルシーの一員としてプレーするマルコ・パレストラ【写真:Getty Images】


 これに対し、パレストラの代理人、アレッサンドロ・ルッチが、イタリア通信社『ANSA』のインタビューで反論した。

 ルッチは『ワールド・サッカー・エージェンシー』の創設者であり、代表でもある。その顧客には、アーセナルのリッカルド・カラフィオーリ、フィオレンティーナのモイーズ・キーン、コモ1907のマッティーア・リベラーリらが名を連ねる。

 同氏は「インテルのマロッタ会長の発言を、深い失望と同時に、大きな驚きをもって耳にした。彼とは25年以上にわたり、プロフェッショナルとしての尊敬に基づく関係を築いており、その間に私たちは数多くの移籍取引を成立させてきた」と語る。

 そう前提を明かした上で、次のようにインテル陣営へ反論を展開した。

「インテルのスポーツ部門を代表するピエロ・アウジーリオは、パレストラの移籍を実現する可能性について、私たちと継続的かつ建設的な話し合いを進めてきた。

 しかし、交渉の結果を決定づけた要因については、今日の記者会見においても、事実に即した形で再構成されていない。45日間にわたり、私が毎日のように連絡を取っていた両クラブ(アタランタとインテル)は、最終的な合意に一度も到達することができなかった」

 さらに「このことによって、チェルシーは、両クラブにも速やかに伝えていた通り、接触を始めてからまだわずか2週間だったにもかかわらず、ここ数日の間にアタランタ、選手本人、そして我々との交渉に積極的に加わり、移籍を迅速に成立させるために動くことになった」と続ける。

ローマはライバルに出し抜かれる

ゼキ・チェリク トルコ代表
ユベントスへの移籍が決定したゼキ・チェリク【写真:Getty Images】


 そしてルッチは「今となっては、私は完全にページをめくり、過去を清算できることを願っている。そして、これから先に目を向けながら仕事に取り組むための平穏を見つけられることを望んでいる。尊重されるべき一人の若者に対して、もはや、根拠のない批判が向けられることがないようにしたい」と結んだ。

 双方の主張には食い違いがあるものの、パレストラ本人に提示された年俸額に大きな開きがあったことは事実だ。金銭面に加え、近年ではイタリア人選手たちもプレミアリーグへの憧憬の念を強めている。世界最高峰の舞台で挑戦したいという思いも、決断に影響を与えたのだろう。

 新シーズンのセリエAの移籍市場では、予想外の移籍劇が相次いでいる。なかでも、ASローマをめぐってはネガティブな話題が続いた。

 トルコ代表の右サイドバック、ゼキ・チェリクは、ASローマとの契約更新が間近と見られていた。しかし、交渉は水面下で進められ、ローマを出し抜く形で、ユヴェントスへの移籍が7月16日に正式発表された。

 このサプライズ移籍劇で主導的な役割を果たしたのが、7月7日にユベントスのチーフ・フットボール・オフィサーに就任したばかりのフレデリック・マッサーラだった。

 昨季はASローマのスポーツ・ディレクターを務めた人物であり、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督との確執も伝えられ、5月29日に契約解除に至っていた。

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