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コラム 6時間前

“裏切り”から1081日。イタリア代表はなぜマンチーニを呼び戻したのか【コラム】

イタリア代表監督 ロベルト・マンチーニ
イタリア代表監督 ロベルト・マンチーニ【写真:Getty Images】



 イタリア代表の再建を託されたのは、かつてその座を突然去ったロベルト・マンチーニだった。2023年8月の辞任から1081日。欧州選手権制覇の英雄でありながら、サウジアラビア代表への転身によって多くの国民の信頼を失った指揮官の復帰に、現地紙のオンライン調査では84.9%が反対した。それでも、イタリア・サッカー連盟はなぜマンチーニを呼び戻したのか。会長との関係、ファビオ・カペッロの批判、選手たちの支持をたどりながら、“帰還”の背景と代表再建の行方を読み解く。(文:佐藤徳和) [2/3ページ]

反対84.9%、“歓迎されない英雄”

ファビオ・カペッロ
マンチーニの監督復帰に反対するファビオ・カペッロ氏【写真:Getty Images】


 イタリア紙『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』(以下、『ラ・ガッゼッタ』)がオンラインで実施したアンケート調査では、マンチーニの就任について3万2000人以上が投票し、その84.9%が代表監督復帰に反対票を投じた。

 他のメディアが実施したアンケートでも、軒並み8割を超える人々が反対している。投票に参加した読者の大多数は、マンチーニの復帰に反対した。
 
イタリア・サッカー界の重鎮ファビオ・カペッロも、マンチーニの復帰に強く反対していた。カペッロは28日、『ラ・ガッゼッタ』のインタビューで、教え子でもあるマルディーニとレオナルドの電撃辞任について語った。

 まず、「マルディーニとレオナルドが辞任することは予想していた。代表チームを立て直すために重要だと考えることを自由に実行できないと感じたからだと思う。ある意味で、あれだけ大きな期待を抱かせた後に、自分たちが利用されたと感じたのだろう」と切り出した。

 続けて「2人は強い個性の持ち主だが、自分たちが前面に出たいからというわけではない。意思決定の独立性が保証されたうえで就任を受け入れていた。だから、彼らのことを知っている私からすれば、今回の辞任はごく自然なことだと思う」と語り、2人の辞任は自身にとってサプライズではなかったとの見解を示した。

 さらに、「彼らなら、これまでの慣例から外れた、新たな道を切り開くことができただろう。しかし今、再び代表監督を経験した人物たちに目を向けることになる」と述べ、FIGCに新たな風を吹き込むことが期待されていたマルディーニとレオナルドの辞任によって、組織は再び旧来の体質へと戻っていくと見ていた。

「私にとってはコンテしかいない」カペッロも示した強い懸念

アントニオ・コンテ
6月にナポリの監督を退任し、現在フリーとなっているアントニオ・コンテ氏【写真:Getty Images】


 そして、「私に言わせれば、代表を任せられる人物は一人しかいない。マンチーニが、あのような形で代表のベンチに戻ることができるというのは、信じられないことのように思える。なぜ、自ら代表を離れ、サウジアラビアで大金を得るためだったとしか考えられない理由で去ることができるのか」と語り、マンチーニの復帰には強い疑問を呈していた。

 ではカペッロが推す代表監督とは誰だったのか。「私にとっては、アントニオ・コンテしかいない。彼は素晴らしい監督だ。誤解しないでほしいが、マンチーニの指導者としての能力について議論しているわけではない。しかし、彼がしたことは、私の考えでは非常に重大なものだ」と話し、後任にはコンテがふさわしいとの考えを示した。

 コンテもまた、イタリア代表を率いた経験を持つ指揮官であった。2014年8月14日からチェーザレ・プランデッリの後任としてイタリア代表を指揮し、2016年欧州選手権では、決勝トーナメント1回戦でスペインを破ったものの、ドイツとの準々決勝ではPK戦の末に敗れた。

 コンテの退任は大会前から決まっていた。その理由は、クラブチームを率い、日々のトレーニングに携わりたいという思いだった。今回の代表監督選考で、セリエAの各クラブはそのコンテの復帰を支持していたが、最終的にはマラゴーが、友人でもあるマンチーニを選んだとされている。

「ピッチでも人生でもコンビ」復帰を後押しした関係

イタリア代表監督 ロベルト・マンチーニ
ロベルト・マンチーニ監督の就任会見に出席したジョヴァンニ・マラゴー氏(右)【写真:Getty Images】


 マラゴーは、ローマのスポーツ社交クラブ『アニエーネ』の名誉会長であり、その会員の一人がマンチーニである。

 監督選考が大詰めを迎えていた7月8日には、マラゴーとマンチーニがフットサル大会「コッパ・カノッティエーリ」で『アニエーネ』のチームメイトとして戦っている。試合前、マラゴーはこう話していた。「マンチーニとは、ピッチでも人生でも、何があろうと私たちはコンビだ」

 また、マラゴーはローマ出身で、ロマニスタでもある。テクニカルディレクターに、ローマの象徴の一人でもあるラニエーリを選んだことについては、もはや説明は不要であろう。

 一方、ASローマとSSラツィオをメインで取り扱う『コッリエーレ・デッロ・スポルト』のダイレクター、イヴァン・ザッザローニは、マンチーニの復帰を歓迎する少数派の一人だ。

 ザッザローニは、「1968年の欧州選手権優勝以来、実に長い時間を経て、マンチーニは2021年に欧州選手権を制した。彼は37試合連続無敗という記録も残した。なぜ私はマンチーニの復帰を喜んでいるのか。それは、あの“代表監督辞任”を経験した後にもかかわらず、再び戻ってくる勇気を備えていたからだ。そして、彼は強いモチベーションを持っている」と説明し、過去の実績を評価していることを明かした。

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