
イタリア代表監督 ロベルト・マンチーニ【写真:Getty Images】
イタリア代表の再建を託されたのは、かつてその座を突然去ったロベルト・マンチーニだった。2023年8月の辞任から1081日。欧州選手権制覇の英雄でありながら、サウジアラビア代表への転身によって多くの国民の信頼を失った指揮官の復帰に、現地紙のオンライン調査では84.9%が反対した。それでも、イタリア・サッカー連盟はなぜマンチーニを呼び戻したのか。会長との関係、ファビオ・カペッロの批判、選手たちの支持をたどりながら、“帰還”の背景と代表再建の行方を読み解く。(文:佐藤徳和) [3/3ページ]
ドンナルンマが示したマンチーニへの信頼

イタリア代表GK ジャンルイジ・ドンナルンマ【写真:Getty Images】
マラゴー会長は、就任発表会見の場でこんなエピソードも明かした。「完全な意見の一致という話で言えば、28日夜遅く、ジージョからこんなメッセージが届いた。『会長、まさにこれこそ、私とチームが望んでいたことです。感謝しています』」
ジージョとは、イタリア代表のジャンルイージ・ドンナルンマのことだ。キャプテンを務めてきた守護神が、マンチーニの復帰を望んでいたというのだ。
苦境にあった代表を突然離れ、巨額の報酬が報じられたサウジアラビアへ渡った。それでもなお、選手たちがマンチーニへの信頼を失っていないのであれば、まだ一縷の望みは残されているのかもしれない。
ともかく、賽は投げられた。代表再建には時間がない。9月18日にはイタリア代表の新メンバーが発表され、21日からはトレーニングキャンプが始まる。そして25日、ネーションズリーグでのベルギー戦が待ち構えている。
(文:佐藤徳和)
【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru
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