シント=トロイデンVV(STVV)の石渡ネルソン【写真:©STVV】
今夏、セレッソ大阪からシント=トロイデンVVへ移籍したMF石渡ネルソンが、欧州での第一歩を踏み出した。開幕から2試合連続で先発し、1ゴール1アシストを記録。それでも21歳のMFは、ベルギーで感じたJリーグとの違いと自身の課題を冷静に見つめている。
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21歳・石渡ネルソンがベルギーで見据えるさらなる成長
シント=トロイデンに加入した石渡ネルソンは、開幕から2試合連続で先発。第1節のロンメルSK戦では初アシスト、第2節のサークル・ブルッヘ戦では強烈なミドルシュートから初ゴールを記録した。
欧州初挑戦で結果を残しているが、本人としては納得していないようだ。
「2試合で2試合とも個人的な結果としては出ていますけど、全然まだまだ強度のところだったり、チームとしてはまだ結果が出てないですし、全然満足してないです。まだまだ成長できるなと感じています」
Jリーグでのプレーを経てベルギーへ渡った石渡が、実際にピッチに立って感じたのは、相手との間合いや力強さの違いだった。
開幕2試合で2枚のイエローカードを受けた石渡は、その2つの場面を振り返りながら、ベルギーでの適応に課題を感じている。
「両方ともJリーグなら、自分の中でこの間合いやったら(ボールを)取りきれるところが、こっちでは相手がもう1個、力強く前に出てくるのを感じて。それで自分が遅れていって、ファウルでイエローになることが結構あって」
日本では対応できていたと感じる間合いでも、ベルギーでは相手の前への出方に遅れを取る。その違いを実戦で感じたからこそ、早期の適応を課題に挙げる。
「本当にそういうところはJリーグとは違うなって感じますし、自分もそれに早くアジャストして、適応していかないとダメだなとすごい感じています」
さらに海外生活では、プレー面だけでなくコミュニケーションも課題になっている。
「英語がちょっとまだひどいので、味方の選手とコミュニケーションをプレー中に取ることも多いので、そこは早くある程度話せるようにならないといけないと感じています」
石渡がここまでキャリアを積み上げる中では、いわきFCで過ごした2025年の1年間も大きな意味を持つ。2024年に愛媛FCへ育成型期限付き移籍し、翌年はいわきで29試合に出場。試合に出続ける中で、フィジカルだけでなくメンタル面にも変化が生まれた。
「いわきの1年は自分にとって大きかったし、体重も2、3キロ増えましたし、筋肉量だったりも増えました」
その中で最も大きく変わったのがメンタル面だったという。試合に出続けることで自信をつかみ、ゴールやアシストという結果も積み重ねた。
「一番はメンタルのところが変わったかなとすごく思っていて、試合に出続けることで自信もつきましたし、ゴールやアシストもできて。その年には世代別の代表にも久しぶりに復帰することができて、どんどん良くなっていったのはすごくあるので、いわきでの1年は自分の今の軸になっていると感じています」
現在は、その経験を新天地で活かしながら、さらなる成長を目指している。シント=トロイデン移籍を決めた理由の一つには、今季のUEFAヨーロッパリーグ(EL)プレーオフへの挑戦もあった。
「今年ヨーロッパの大会に出れるチャンスがあるのは、(移籍を)決めたうちの理由の1つでもあるので、すごいワクワクしていますし、自分もゆくゆくはチャンピオンズリーグだったり、そういうところに出たいというのはあります」
9月にはU-21日本代表としてアジア競技大会にも臨む。推進力やデュエルといった自身の武器を発揮するつもりだ。
「自分の武器のところをどれだけ見せられるかはすごい大事だと思います。日本で開催されるのですごい楽しみですし、準決勝は長居(陸上競技場)でやるので、大阪に帰れて嬉しいです。たくさんの人が見に来てくれると思うので、堂々と日本を代表してプレーしたいなと思っています」
欧州で結果を残しながらも、本人が見据えるのはさらに先だ。いわきでつかんだ自信と経験を新たな環境で活かしながら、21歳のMFはベルギーへの適応を進めている。
(取材・文:竹中愛美)
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