
日本代表でプレーする佐野海舟【写真:Getty Images】
2026年夏の移籍市場において、日本代表MF佐野海舟の去就は広く注目された。マーケットが閉じる直前には具体的なオファーも報じられたが、今夏は現所属のマインツに残留が濃厚だ。本稿では、同選手が冬の移籍市場でマーケットに出る可能性と、その他日本人選手への影響を展望する。
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「代役なしでの放出はあり得ない」
ドイツ紙『BILD』が8月に報じたところによれば、マインツは移籍容認の条件として約6000万ユーロ(約108億円)の評価額を設定しており、代役確保のため8月27日というクラブ内期限を設けていたという。
ドイツメディア『キッカー』は、移籍期限日にプレミアリーグのクリスタル・パレスが3000万ユーロ(約54億円)をわずかに上回る額とセルオン条項付きのオファーを提示し、フランクフルト空港には佐野を運ぶプライベートジェットまで待機していたと伝えている。
マインツ側はこのオファーを拒否し、リバプールやニューカッスル、RBライプツィヒの関心も報じられたが、最終的に移籍は成立しなかった。
同クラブの強化部長を務めるクリスティアン・ハイデル氏が「代役なしでの放出はあり得ない」(参照:『BILD』)と繰り返し強調してきた経緯やC・パレスの提示額を踏まえると、今夏での移籍実現は難しかっただろう。
北中米W杯ブラジル戦でのゴールなどで市場価値がなお上昇基調にあることを考えれば、評価額に見合う破格のオファーが来た場合、マインツが再考する余地は残る。
ただし、また1年待たなければならない可能性も高い。年明けに冬の移籍市場が開幕するが、そこでの取引成立は難しい傾向にある。主力選手ならばなおさらだ。
直近5年間の冬のマーケットでは…
直近5年間の冬の移籍市場を振り返ると、マインツにおける完全移籍での売却はフリーでの退団を除いてわずかに「2」。1000万ユーロ(約18億円)超えの取引は2020/21シーズンのジャン=フィリップ・マテタのみで、同選手は前年からクリスタル・パレスにレンタルで加入していた。
マテタは半年間のブンデスリーガで15試合7得点をあげるスコアラーだったが、当時のクラブは新型コロナウイルスの影響による財政難で、『BILD』は2020年9月の時点で「5人の有力選手を売りに出している」と報じていた。マテタはそのうちのひとりだったのだ。
そうした特殊な状況下においては主力選手の売却があり得るが、やはり実現させるには適正価格以上の入札が必要になってくるだろう。冬の移籍を目指す場合、佐野にはさらに規格外の活躍が求められる。
仮に冬の市場で佐野が退団する場合は、何人かの日本人選手に影響があるかもしれない。現在所属する川﨑颯太の出番は怪我の影響もあって限定的だが、絶対的なボランチの穴埋めのオプションとして十分に抜擢の可能性はあるだろう。
現在の川﨑は守備的MFに限らず右サイドハーフなどでも起用されており、必ずしもボランチとして計算されていない見方もあるが、選択肢が増えることはチャンスが欲しい選手にとってポジティブだ。
そして川﨑とは京都サンガF.C.の後輩関係にあたる(ユン・ソンジュン)にも、再び注目が集まるかもしれない。ドイツメディア『Fussball Transfers』が7月の時点でユンのマインツ加入について報じており、佐野の「後継者候補」として19歳MFの名前をあげていた。
ドイツ国内だけでなく、様々な方面に影響がありそうな佐野の去就。何人かの有望株の今後の人生を左右する可能性も踏まえ、注視したい。
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