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リヨン空港に“2機のプライベートジェット”。中村敬斗の移籍まで動かした争奪戦の舞台裏

マリック・フォファナ
マリック・フォファナ【写真:Getty Images】



 移籍市場最終日、フランスのリヨン空港に2機のプライベートジェットが待機していた。目的は同じ。リヨンに所属するベルギー代表FWマリック・フォファナをイングランドへ連れて行くためだった。最終的に日本代表FW中村敬斗の去就にまで影響を及ぼすことになる、21歳のアタッカーを巡る異例の争奪戦とは。

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リヨン空港で待っていた“2機”

 サンダーランドは2日、リヨンからフォファナを獲得したことを発表した。英『Sky Sports』によると、移籍金はボーナスを含めて最大3080万ポンド(約67億円)に上る。

 だが、その移籍が成立するまでには異例の争奪戦があった。

 同メディアによれば、まずサンダーランドが移籍市場最終日の午前中にリヨンと合意。ところが、その後にクリスタル・パレスが獲得へ参戦した。

 パレスを率いるピエール・サージュ監督は、リヨン時代にフォファナを指導した恩師でもある。英『The Guardian』によれば、サージュ監督と電話で話したフォファナは一時、パレスへの移籍に気持ちを傾けたという。

 やがて両クラブがリヨンと合意し、争奪戦はまるで映画のような展開を迎える。

 英『Sky Sports』によると、フォファナがいたリヨン空港には2機のプライベートジェットが待機していた。

 1機はクリスタル・パレスの本拠地があるロンドンへ、もう1機はサンダーランドへ向かうために用意されたものだった。

 両クラブがリヨンと合意したことで、最後に行き先を決めるのはフォファナ本人。一時は恩師ピエール・サージュ監督との再会を望み、パレス移籍に傾いたとも報じられたが、フォファナはなかなか決断を下さなかった。

 さらに時間がないため、フォファナはフランス国内で一度だけメディカルチェックを受け、その結果を両クラブが共有するという異例の対応も取られた。

 そんな中、サンダーランドが最後の一手を打つ。28歳の若きオーナー、キリル・ルイ・ドレフュス氏が自らリヨンへ飛び、フォファナを直接説得したのだ。

 数時間にわたって2機のプライベートジェットが選手の決断を待つ中、最終的にフォファナが選んだのはサンダーランドだった。

 そして、その決断は一人の日本代表選手の去就まで動かすことになる。
 


争奪戦の余波は中村敬斗にも

 この移籍によって、新たに動いたのが中村敬斗の去就だった。

 仏『レキップ』によると、リヨンはフォファナの退団に備え、スタッド・ランスに所属する中村を後釜の優先候補の1人としていた。

 同紙は、リヨンとランスが200万ユーロ(約3億7000万円)の有償レンタルに、約1100万ユーロ(約20億4000万円)の買い取り義務を付けた条件で合意したと報道。中村もメディカルチェックを受けるため、すでにリヨンへ向かっていたという。

 当初、フォファナはクリスタル・パレスへ向かうとみられていたが、最後の最後で行き先はサンダーランドに変更。それでもリヨンが主力ウインガーを失うことに変わりはなく、その穴を埋める存在として中村の獲得が一気に進んだ。

 2機のプライベートジェットが待つほどの争奪戦。その決着は、遠く離れた日本代表アタッカーの移籍まで動かすことになった。

(文・金山悠吾)

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