
イタリア代表【写真:Getty Images】
ロベルト・マンチーニが再びイタリア代表の指揮官に就任した。世代交代と再建を託された新生アッズーリは、どのような姿を見せるのか。各ポジションの候補を整理しながら、9月のネーションズリーグに向けた新チームの輪郭を探る。(文・佐藤徳和)[1/3ページ]
マンチーニ再始動へ 新生アッズーリの競争が始まる

イタリア代表 ジャンルイージ・ドンナルンマ【写真:Getty Images】
ロベルト・マンチーニが再び指揮を執る新生イタリア代表が、約3週間後に始動する。
9月18日にはイタリア代表の招集メンバーが発表され、21日からはトレーニングキャンプが始まる。そして25日には、ネーションズリーグの初戦ベルギー戦が待ち受ける。
まずはGK。アッズーリが伝統的に多くの名手を輩出してきたポジションであり、今も豪華な顔ぶれが揃う。
マンチェスター・シティのジャンルイージ・ドンナルンマは世界最高峰のGKであり、不動の守護神だ。
2021年10月10日に行われたベルギー代表とのリーグA決勝ラウンド3位決定戦でキャプテンに任命され、22歳7か月15日で初めてキャプテンマークを巻いて試合に出場した。これは、1965年以来、イタリア代表で主将を務めた最年少記録である。もはやドンナルンマには、ポジションが確約されていると言っても過言ではないだろう。
その後に続くのが、ユヴェントスへの移籍がようやく決まったグリエルモ・ヴィカーリオだ。代表では2024年3月24日に行われたエクアドル戦でデビューし、これまでに5試合に出場している。
3番手には、アタランタのマルコ・カルネセッキが入るだろう。U-21代表では22試合に出場しているが、ドンナルンマというあまりにも大きな存在がいるため、A代表での出場はまだない。
最後はSSCナポリのアレックス・メレ。昨季は中足骨骨折による長期離脱を強いられた。また、アントニオ・コンテ監督がヴァニャ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチを優先して起用したため、出場機会にも恵まれなかった。しかし、マッシミリアーノ・アッレグリ監督が就任した今季は、メレが第1GKを務めると予想されている。
スピナッツォーラの後継者は? 両サイドで進む世代交代

イタリア代表 フェデリーコ・ディマルコ【写真:Getty Images】
マンチーニは、第1次政権時に4-3-3のシステムを採用していた。ユーロ2020では、左サイドバックのレオナルド・スピナッツォーラが攻撃の鍵を握っていた。
残念ながら準々決勝のベルギー代表戦でアキレス腱を断裂し、ユーロでの戦いは道半ばで終わることとなったが、彼にはラストサードで自由に仕掛ける“特権”が与えられていたほどだ。
インテルでは左ウィングバックを務めるフェデリーコ・ディマルコが、このポジションの第一候補だろう。
ただ、リッカルド・カラフィオーリがセンターバックではなく、左サイドで起用される可能性もある。ディマルコは守備面にやや難があり、相手の顔ぶれによっても選択肢は変わってくるのではないだろうか。
アトレティコ・マドリーで評価を高め、アストン・ヴィラに移籍したマッテーオ・ルッジェーリもポジション争いに絡んでくるだろう。トッテナムのデスティニー・ウドジェや、ミランの20歳、ダヴィデ・バルテサーギも候補に挙げられる。
右サイドは、今夏の移籍市場でアタランタから5500万ユーロもの移籍金でチェルシーに加入したマルコ・パレストラが最有力だ。
マンチーニはユーロ2020でもジョヴァンニ・ディ・ロレンツォをこのポジションに起用していたが、若返りを目指すのであれば、33歳となったディ・ロレンツォを招集する必要はないだろう。
パレストラ以外にも、ブレントフォードのマイケル・カヨーデはクラブでのパフォーマンスを考えれば、代表入りしてもおかしくない。アタランタのラウル・ベッラノーヴァ、そしてUSカタンザーロからSSCナポリに移籍したばかりのコスタンティーノ・ファヴァスーリも忘れてはならない存在だ。
若返る最終ライン、レオーニら次世代CBにも期待

イタリア代表 アレッサンドロ・バストーニ(左) ジャンルカ・マンチーニ(右)【写真:Getty Images】
センターバックは、インテルのアレッサンドロ・バストーニ、ASローマのジャンルカ・マンチーニ、アタランタのジョルジョ・スカルヴィーニが招集されると予想される。
前述したカラフィオーリも、このポジションで起用される可能性は高い。バストーニとカラフィオーリの2人がセンターバックを務めることも考えられるが、前者は3バックで持ち味を発揮し、後者も攻撃力を売りとするタイプだけに、押し込まれた際の守備には一抹の不安が残る。
SSCナポリのアレッサンドロ・ボンジョルノは、今夏のトレーニングキャンプで半月板を負傷して手術を受けており、復帰まであと2か月を要するとみられる。今回の招集が見送られることは確実だろう。
ミランのマッテーオ・ガッビアは、守備力に限ってみれば能力が高い。トリノFCにレンタル移籍したピエトロ・コムッツォも、試してみる価値はあるだろう。
パリFCのディエゴ・コッポラもポジション争いに加わるだろう。そしてドイツでプレーする3人、ボルシア・ドルトムントのフィリッポ・マネとルーカ・レッジャーニ、ボルシア・メンヒェングラートバッハのファビオ・キアローディアは、シルヴィオ・バルディーニ暫定監督の下で招集を受けている。
キアローディアは6月のギリシャ戦、ルクセンブルク戦の2試合でフル出場し、いずれも無失点に抑えることに貢献した。3人はいずれも若く、フィジカルに優れ、足元の技術も高い。
そして、リヴァプールFCに昨夏、3000万ユーロで移籍したジョヴァンニ・レオーニの復帰が近づいていることも記しておきたい。
彼の才能は別格だ。けがから順調に回復すれば、数年後にはイタリア代表の中心を担う選手になれるだろう。イタリアには、レオーニが必要だ。