
トッテナム・ホットスパー、補強診断【写真:Getty Images】
2シーズン連続で17位に終わったトッテナム・ホットスパーが、クラブ史上最大規模の大型補強を行った。総額3億6635万ユーロ(約677.4億円)にも及ぶ支出で、果たして昨季からの課題は解決されたのだろうか。「獲得」「放出」「計画性」「バランス」「コスパ」の5項目を各20点、計100点満点で採点する。(文:安洋一郎)[2/2ページ]
トッテナム、補強総合評価
補強評価:C(65点/獲得13・放出16・計画性14・バランス12・コスパ10)
今夏のトッテナムの補強診断は「C評価」とした。
「獲得」においては、昨季までのウィークポイントとデ・ゼルビのフットボールに合う可能性が高い選手を集めることで、一定の結果を残せたと言えるだろう。
特にCBとボランチの獲得は効果的であり、若手主体だったスカッドにアンドリュー・ロバートソンのような経験豊富な選手をフリーで加えられたことも好感を持てる。
デ・ゼルビの戦術に沿った補強は明確だった一方で、重要なストライカーの穴が埋まらなかったことは大きなマイナスであり、「計画性」と「バランス」は課題だろう。
また、求めていたサイドのアタッカーの補強が進まなかった中で、最後にFWミハイロ・ムドリクを加えたことにも疑問が残る。シャフタール・ドネツク時代にデ・ゼルビとの共闘経験があるものの、プレミアリーグの壁に直面した選手であり、昨季はドーピング問題で全休となった。そのような選手に重要な役割を与えるのは、あまりにリスクが大きい。
一方の「放出」は機能したと言えるだろう。明らかにクラブとの関係が悪化していた前主将のクリスティアン・ロメロをプレミアリーグ外のクラブへ放出。同じく移籍を希望していたジェド・スペンスもインテルへ移籍した。
トップチームで一度も起用していないルカ・ヴシュコヴィッチで5400万ユーロ(約99.9億円)の移籍金を回収できたのも大きなプラス。そのほか、余剰戦力の整理を積極的に行い、トータルで1億6425万ユーロ(約300億円)の移籍金を獲得したのは評価できるだろう。
しかし、「コストパフォーマンス」という面では決して良いとは言えない。マテウス・フェルナンデス、トナーリ、サヴィオの3人だけで約3億ユーロ(約555億円)を投じており、これは明らかなオーバーペイだ。
フリーで即戦力を獲得しているとはいえ、このコストに見合うパフォーマンスを発揮できなければ、選手たちのプレッシャーは高まるばかりだ。
開幕から4試合を終えた時点では、明るい材料がほとんどない。多くの主力を入れ替えたアストン・ヴィラとは異なり、新加入選手の大半がプレシーズンから参加している中で、この完成度の低さは気になるところだ。
今季は欧州カップ戦がないため、リーグ戦でCL出場権を奪還するには最大のチャンスとも言える。しかし、そのためにはアンジェ・ポステコグルー時代から続くホームでの勝負弱さや、過去2シーズンで敗戦を重ねてきたことによるメンタリティの問題も克服しなければならない。
大型補強で戦力は確実に上積みされた。あとは、その戦力を生かし、勝てるチームへと変えられるか。デ・ゼルビには、過去2シーズンで失われた「勝者のメンタリティ」を取り戻すことも求められる。
(文:安洋一郎)
TOTTENHAM HOTSPUR
トッテナム・ホットスパー
移籍情報2026/27
※移籍情報はプレミアリーグ公式サイトをもとに作成。
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