
ザンクトパウリでプレーする安藤智哉【写真:Getty Images】
9月17日に発表された日本代表メンバーに、FCザンクトパウリの安藤智哉が名を連ねた。クラブは昨季、ドイツ2部への降格を経験したが、安藤は今季も最終ラインの主力として出場を重ねている。今回招集されたDF7人の中で、今季の公式戦出場時間は3番目に多い。継続して積んできた実戦経験を、代表でのアピールにつなげられるか。
空中戦勝率70.0%を誇る190cmのセンターバック
2025/26シーズン、FCザンクトパウリはブンデスリーガ最下位に沈み、2部に降格した。夏には1部クラブからの関心も報じられたが、安藤智哉は今季もザンクトパウリでプレー。舞台が変わっても、最終ラインの主力を担っている。
今季はリーグ開幕4試合にすべてフル出場し、計360分間プレーした。DFBポカールでも90分間出場しており、公式戦の出場時間は計450分に達する。第5節のヴォルフスブルク戦は欠場したものの、妻の出産を控えた日本への帰国が理由と報じられている(出典:ドイツメディア『BILD』)。
この出場時間は、今回招集された日本代表のDF陣と比較しても上位に入る。『Transfermarkt』によると、9月17日時点の今季公式戦出場時間は、鈴木淳之介が925分、渡辺剛が491分。安藤はこの2人に次ぐ3番目で、瀬古歩夢の360分、板倉滉の303分、冨安健洋の235分、伊藤洋輝の10分を上回っている。
リーグの開幕時期やクラブの試合数は異なるため、出場時間だけで選手の優劣は決められない。それでも、継続して先発し、試合を通じて判断や連係を磨く機会を得ていることは、代表での出場を争ううえでも強みになるだろう。
なお、鈴木淳之介がプレーするデンマーク1部リーグの開幕はヨーロッパの中でも特に早く、今季は第1節が7月下旬に行われている。
安藤について、守備面では対人戦の数字に注目したい。『FotMob』によると、安藤は今季リーグ戦4試合でデュエル勝率63.0%、空中戦勝率70.0%を記録している。190cmのセンターバックとして、競り合いで持ち味を示していると言える。
90分当たりではインターセプト1.50回、クリア3.75回を記録し、相手の攻撃を食い止める役割を担っている。同クリア数についてはチーム内3位、インターセプト数はチーム内4位だ。他の守備スタッツも軒並み上位に位置している。
持ち前の安定感を9・10月シリーズで示せるか?
ただし、守備対応の回数は、チームの戦い方や相手に攻め込まれる頻度にも左右される。数字の多さが、そのまま守備の質の高さを示すわけではない。安藤がフル出場した開幕4試合で、チームは計7失点。個々の対応を最終ライン全体の安定につなげることは、引き続き課題だ。
ザンクトパウリは開幕から3分1敗と勝ち切れず、第4節のアルミニア・ビーレフェルト戦も2-2の引き分けに終わった。その後、安藤が欠場した第5節のヴォルフスブルク戦で1-0と勝利し、ようやくリーグ初白星を挙げている。チームの立て直しに向け、安藤にも守備陣の一員として貢献が求められる。
W杯後の日本代表で定位置を争うには、クラブでの実績を代表のピッチでも示す必要がある。板倉や冨安、伊藤らと競争するなかで、今季の安藤は昨季に引き続き安定して出場機会を得ている。
上記の3人はFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)の舞台に立ったが、それぞれに課題がある。板倉は出場機会があるものの、目下大量12失点を喫するボルシアMGのセンターバック。チームはリーグ第3節を終えた段階で降格圏の17位に沈む。
伊藤は先述の通り今季はここまでわずかなプレータイムしか与えられていない。冨安は今季すでに公式戦で出場機会を得ている一方、継続的に出場時間を確保できるかが注目される。日本代表としてポジティブな状況ではないが、安藤にとっては相対的にチャンスと見ることもできるだろう。
今回の9・10月シリーズは、クラブで積んだ経験を代表でどう生かせるかを示す機会になる。継続して試合に出てきた強みを、代表での存在感につなげられるか。安藤のプレーに注目したい。
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